やる夫のHなAA 第4話
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1251118826/101 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:40:36 ID:Ah1RnJTk
. _)ヽ-―- 、. _
_,.ノ´, '-――-、.`´く
`フノ / ノ ハヽ(`'゙)、ゝ
(( ,ヘ,. ´ノノサトリλレ'.レソ`メ、人/ | ))
'、 ソ^ク:::ルLi ○ ○ .λ/、\ゝ
//:::::.'ハル""r-‐¬""イ/:::::ヽ、ノ では、お時間となりましたので投下いたします
\:::::::::::.ソゞゝヽ、__,ノ_ノ/:::::::::/
`ヽ:::::::::/ゞ_/?ヽ__ス::::::::/ HなAA 第四話
弋:!i|:::::::::?:::@:!i;;;;;ノ
. ノ:::::::::?ξ;::λ´ タイトル 『チェック/アウト』
. く;;;;;;;;;;;ハ、;;;;;;;;;ゞ
. / ` .ヽ,
. / / ノヽ .\
102 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:41:17 ID:Ah1RnJTk
___ : : :: :: . . . . . .
\|;;;;;;;;;「\ . . . . . . . . . .
\|[]![]i|\l __ ,__. ,‐レ /
\|[]![]i|\|\〃..:::日ヽ」 2 !ヽ |Hレ' /
\|[]![]i|\|\:\::::日 |ー ト、| |Hレ' / 繁華街で時間が余ったら
\|[]![]i|\|\:\i..l;;ト、 |::┌ 、! : : : ::: :: :┌‐lHレ' : : : マンガ喫茶を探すようにしている
\|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|\ | : : ::: :: : : :||__|H| : : : :
\|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\L__r;;;;;;;ュ r'il|:::|H| /
\|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\|llllllllllllllllll| il「::|Hレ' /
\|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\|llllllllllllllllll| il「::|Hレ゙ : : : :
\|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\lllllllllllllllllll| il|、:|H| : : :
\|「l!「i| , ――┬、 ∠二Tヽ, r-‐‐‐-\;lH| : : : :
.| l|L。∠___。ィlLlレ、 ゚=゚゚O-O’{iiト_≡_イii} '\;レ゙レ’
 ̄ ̄@=呂=@-‐jHr‐」 /Lt‐┸‐j」 \
`‐' ̄`-'' `-’ /
/ / / /
| | | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | マ ン ガ 喫 茶 | | | |
| | | | | | | |________
 ̄..| | | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | |:::::::::::::::::::::::::::::::::::
| | | | .|| ̄ ̄ ̄||. | | ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄| | || ̄ ̄ ̄|| | | | |:::::::::::::::::::::::::::::::::::
| | | | .||___||. | | | | | ||___|| | | | |:::::::::::::::::::::::::::::::::::
| | | |::::::::::::::::::::::::::::: | | | | | ::::::::::::::::::::::::::: | | | |┬┴┬┴┬┴
| | | |::::::___________: | | [|] | | ::::::::::::::::::::::::::: | | | |┴┬┴┴┬┴
| | | |:::::|_|_|_|_|_|::| | | | | ____ | | | |┬┴┬┴┬┴
| | | |:::/_____/| | | | | |// / / //| :| | | |┴┬┴┴┬┴
 ̄ ̄ ̄ ̄|______|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二二二 |/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
その日入った店はあたりといえた
店構えは地味だったが
103 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:41:58 ID:Ah1RnJTk
/ /||||/||||/|||ll/ /||||/||||/|||ll/ /||||/||||/|||||i/||||
/ /||||/||||/|||ll/ /||||/||||/|||ll/ /||||/||||/||||/|i||||/
| ̄ ̄|||||/||||/||||/| ̄ ̄|||||/||||/||||/| ̄ ̄|||||/||||/||||/|||||i/
| |/||||/||||/||||| |/||||/||||/||||| |/||||/||||/||||/
| |||||/||||/||||/| |||||/||||/||||/| |||||/||||/||||/
| |/||||/||||/ | |/||||/||||/ | |/||||/||||/ ,
| |||||/||||/ | |||||/||||/ | |||||/||||/ /
| |/||||/ | |/||||/ | |/||||/ /
| |||||/ | |||||/ | |||||/ /|| /
|__|/ |__|/ |__|/ / ||/
/ | ̄ ̄|| ̄ ̄|
./ . |__||__|
中は清潔で、そして何より品揃えが凄かった
オークションに出せば最低でもウン万円はつきそうな稀覯本がずらりと並んでいたのだ
私がずっと探し続けていたものも何冊かあった
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\
| (○)(●) |
| (__人/,〉.| 本棚の前で目を血走らせていた時
{ ´フ´ ./._ }
ヽ ./,二ニソ}
_ヽ/ ,-― 、}ノ
/:;:{' ノーヘJ:;:;ヽ
/:;:;:;:;:;| _,イ{:;::;:;:;:;l:;:;}
/:;:;:;:;:;:;:;:;:\_/:;:;:;::;:;i:;/\
{:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;〈:;:;:;:;:\
ヘ:;:;:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:\:;/ヘ、
 ̄ ̄7:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;::;ゝ、`ーj
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l:;:;:;:;:;:\~
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|ヾ:;:;:;/
104 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:42:34 ID:Ah1RnJTk
_ _,
___,> Y´'ー-、
_>z二_ ___`ー≧__
>┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
/ ヽ `Y′之>
. / , l、 、 , 、 | ヽ }<
l ,ィ {7Tハ T寸寸 | }ノ |
|ハ |(●) (●) / / ,/レ′
`| ヽ 「)'/|/
その少女に出会った ヽ、_ ― _,.ィT/
l 7Eニ::ィ1│
すぐ横にいたのを気がつかずに 'イ/ヽ::::`l┘
肩をぶつけてしまったのだ i´ ̄ `|::::|
j| |::::|
/ |:::::|
/ / l lrェリ\
\/ | /
` ーrーr┼‐r'´
|::::| |::::|
|::::| |::::|
,ヘrリ トー}
`ー' `ー'
105 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:43:23 ID:Ah1RnJTk
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●)
| (__人__) あわてて頭を下げる私に彼女はなれなれしく
| ` ⌒´ノ
| } \
/ヽ } \
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/
、-ー'`Y <,___
__≦ー`___ _二z<_
> 7  ̄、-‐ ´ ̄`'┴<
<之′Y´ ,r' \
>{ ,r' | 、 , ,. ,.l , ゙i 「こんにちは」
| !、{ | 寸寸T ハT7} ィ,l
′Ji, ゙i ゙i ( ●) (●)|ハ| と言った。
i⌒ヽ'(1. ''' _' ''' ノ川/⌒)
. ヽ ヽx>、(_.ノ__,イ l |::::ヽ/ 知り合いではなかったし
∧ 人lハ:::::l,三|:::/l| ,:::::ハ ここの店員でもないようだった
106 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:44:02 ID:Ah1RnJTk
__フ へ/ \ ̄\
_二∠__ユ∠ヽ: :\: :\
/ ´ \`ミ] |: : :\:ハ
/ / : : :ヽ |ハ: : : ハ ハ
i l i ト、 l ト、l: : : : :ハ: ハ:|: : :ハ: i\
ジャージの上下を着たスッピンの女の子 l 从トヽ N弌ト、|: : |:l|//ハ: : :|: | ̄
手足が長くて目がくりっとしていて W●)V(● )j !ノ/;勹/| |:|: : Ⅳ
そんな格好でも十分に可愛らしい ! ヽ レレ'二-‐i|:|: : リ
_ヽ - 「 ̄ ̄: : 三ニlリVN
\::`--|>。。。] |-‐==|
入:⊆r'": : / ̄三ヽ
,.-;==‐-、 /: : Vノ: : /: : : : : : 三ハ
/: /: : : : : : :ヘ ∧| 0|!: : //__: : 三ハ
{: :{: : 、、: : : : ヘ へ: |: :|!: /´ ̄三三三ニヽ=!
|: :|: : : i! : : : : : ヘ/___|_r‐┴‐-=ニ二三三ニ||
.!: :!: : : i!: : : : : : :〉―=ニ二_-=ニ_______ニ/|
/三!___i!-< ̄ ̄ ̄ ̄: : : `:ー:-:=ニ二三∠=L
fニ/: : : : \: : : :`:ー-:_____, --<´三ニニ/
|=|ハ: :\: : : :\: : : : : : : :二- 彡'´: :ニ三三\三/
|=| ハ_: : :\: : : : _;. -‐ フ7"下三: : : : : ニ三三`‐〉
`┤:||ニ三「`-イ[ニ- '" r'7: 三lニ\ジャージ.三三〈
|: :||ニニ!: : :ト ゙、 ,': : 三l三ニ\ニ三三ニ├
二>‐i": : :| ヾ、 |: : : :三l三三ニ≧<_>'"
r:':>---‐′: 八 |:\ |: : : : :三l三二_==ー
` !、_: } : _:. : : :ノ└―\!__: : 三三三≧_、
 ̄  ̄ └-======-‐‐'"
107 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:44:41 ID:Ah1RnJTk
、-ー'`Y <,___
__≦ー`___ _二z<_
> 7  ̄、-‐ ´ ̄`'┴<
<之′Y´ ,r' \ 「あたし、ここで暮らしてるんだ」
>{ ,r' | 、 , ,. ,.l , ゙i
| !、{ | 寸寸T ハT7} ィ,l と、彼女はすごく自然に続けた
′Ji, ゙i ゙i ( ●) (●)|ハ|
i⌒ヽ'(1. ''' _' ''' ノ川/⌒)
. ヽ ヽx>、(_.ノ__,イ l |::::ヽ/
∧ 人lハ:::::l,三|:::/l| ,:::::ハ
、-ー'`Y <,___
__≦ー`___ _二z<_
> 7  ̄、-‐ ´ ̄`'┴<
<之′Y´ ,r' \ 「個室にいるんだけど、来ない?」
>{ ,r' | 、 , ,. ,.l , ゙i
| !、{ | 寸寸T ハT7} ィ,l そして返事を待たずにさっさと歩き出した
′Ji, ゙i ゙i ( >) (<)|ハ|
i⌒ヽ'(1. ''' _' ''' ノ川/⌒)
. ヽ ヽx>、(_.ノ__,イ l |::::ヽ/
∧ 人lハ:::::l,三|:::/l| ,:::::ハ
108 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:45:21 ID:Ah1RnJTk
/ ̄ ̄\
/ ー ‐\
| ( ●) ( ●)
| (__人__)
| ` ⌒´ノ
| }
r⌒ヽrヽ, }
/ i/ | __ ノヽ 私は思わずあとを追った
./ / / )
./ / / //
/ ./ / ̄、⌒) マンガ喫茶の個室に寝泊りしている家出女子高校生がいる
.ヽ、__./ / ⌒ヽ ̄
r / |
/ ノ
/ / /
./ // /
/. ./ ./ /
i / ./ /
i ./ .ノ.^/
i ./ |_/
i /
/ /
(_/
_ー 、 }V _
`ー--≧ V レ´{
_ ___ 、 _,フ' _, - ヽ、 __`ヽ.
_ ‐ )_ -‐≦l し ヽ、\`ヽ
/ <__-'´ `| 、 ヽ `フ
( u く;|/ ,イ ./{ Y l fi _) `ヽ
ヽ ヽli:フ /ン/─`ト、l .lヽノ .\ヾ
ヽ ヽ ̄乂,'ー '-―-リ | ノ ヽ._
ヽ 。 丶: ,' ヽ /// ノl l {´ ̄
ヽ ハ ∩ u イ .l 人
ヽ. ヽ. . l U l /.ノ' ──そこで売春をしたりする
ヽ 。`7 ´ /| l _j
ゝ ヽ // ´ l` そんな噂を聞いたことがあった
| u l
. ■□■□■□■□ .l
□■□■□■□■ l
.} 、 。 /
/ し /
/ 。 /
/U /
/ , l
109 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:45:58 ID:Ah1RnJTk
r;:'ニ:ヽ、___, 狭い空間には菓子の箱や飲み物のカップが散乱していた _____
|` ー 彡|旦i (\ ∞ ノ
/!、._.___.;;!\ 壁のハンガーに下着が干してあった ヽ、ヽ /
\`゙゙゙゙゙゙゙゙゙ / ずいぶん長居している様子がうかがえた `ヽ)⌒ノ
 ̄
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(● 「どれくらい、ここにいるの?」
| (__人__)
. | ノ 話題が見つからなかったので
| ∩ ノ ⊃ そんなことを聞いてみた
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
110 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:46:44 ID:Ah1RnJTk
___ ___
> `>'´ <
/ .::. x=、 \__
_/ /三≧==< ヽヘ `>
7 /´ \ ヘ``\ ',
/i / `ィ ヽ}
/ f ィ i ヽ ヽ ヽ\
,' | / j .:{{ r:::.{ ヽ| .:! .:ト l
. /l | 斗lー八 .::: V -┼ト ! :::::|::::|∨ 「もう1年と……あれ?2年はいってるかなあ」
/´| .:::| ::!∠_ 厶:::::ヽ ⊥j厶|::::::,'::::j
| :八 ::|t( ●)`\|(●) /:::/::::| と、彼女は答えた
| l ハ 从 /:::∧リ
V\:∨介ト 、 _ -_ イ个V/
/∧}:}ヽi ヨ ` ヒケj/{:{
. ィ'`ヾ =-=‐ィ'/`ヽ
/`Y´∥¨::¨∥ Y´}
/ ̄ ̄\
/ ._ノ ヽ、\
| ( ) ( ) ((● ((●
|∪(__人__) | 「2年!? 本当にここで暮らしているの?」
| | | }
| | | }
ヽ |r┬-| /
__ヽ `ー'´ ノ__
___ ___
> `>'´ <
/ .::. x=、 \__
_/ /三≧==< ヽヘ `>
7 /´ \ ヘ``\ ',
/i / `ィ ヽ}
/ f ィ i ヽ ヽ ヽ\
,' | / j .:{{ r:::.{ ヽ| .:! .:ト l
. /l | 斗lー八 .::: V -┼ト ! :::::|::::|∨ 「そだよ。ここならちっとも退屈しないからさ」
/´| .:::| ::!∠_ 厶:::::ヽ ⊥j厶|::::::,'::::j
| :八 ::|t( ●)`\|(<) /:::/::::| それは私も理解できる
| l ハ 从 /:::∧リ ここには、なんでもある。膨大なマンガ本だけでなく
V\:∨介ト 、 _ ワ_ イ个V/
/∧}:}ヽi ヨ ` ヒケj/{:{
. ィ'`ヾ =-=‐ィ'/`ヽ
/`Y´∥¨::¨∥ Y´}
111 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:47:22 ID:Ah1RnJTk
___________
|┌──────‐┐||
| | |..|| インターネットに繋がったパソコン
| | |..||
| | |..||
| |_________│||
|_________.||
__| |,,___
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/≡≡≡≡≡≡≡≡≡|
|┌─────┐ ⑪ ||| あらゆるチャンネルと
| | | ◎ ||| 最新ゲーム機に繋がったテレビ
| | | |||
| | | ||||||| |||
|└─────┘||||||| .||
 ̄| | ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄||
.......|_| :::::::::::::::::::::::::: |_|:::::::::
112 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:48:04 ID:Ah1RnJTk
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( 一)(●)
| (__人__) 「いい身分だね」
| `⌒´ノ
| ,.<))/´二⊃ と、言うと
ヽ / / '‐、ニ⊃
ヽ、l ´ヽ〉
''"::l:::::::/ __人〉
:::::::::|_/ヽ. /|||||゙!:゙、-、_
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
_ _,
___,> Y´'ー-、
_>z二_ ___`ー≧__
>┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
/ ヽ `Y′之>
. / , l、 、 , 、 | ヽ }<
l ,ィ {7Tハ T寸寸 | }ノ |
|ハ | (●) (●)/ / ,/レ′ 彼女は首をかしげた
`| ヽ 「)'/|/ 言い換えることにした
ヽ、_ ― _,.ィT/
.`,}ー,r'^ヘ-'"、
/ヽ/ `_}ィ^!'
,'r' / /´ l- 、
ヽl.rー'´ ヽ ィ
ノ^ヽ-―'´^ヽ、
,ィ^ヽ、/==、 _,.ハ、_
113 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:48:44 ID:Ah1RnJTk
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
| (__人__) 「ええと、働いたりしないで、ここで遊んで暮らしているなんて
| `⌒´ノ お金持ちなんだろ」
| ,.<))/´二⊃
ヽ / / '‐、ニ⊃
ヽ、l ´ヽ〉
''"::l:::::::/ __人〉
:::::::::|_/ヽ. /|||||゙!:゙、-、_
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
. /{ /!
/ V }
_{ / 厶_
/ { ´ `ヽ、
、__/ _x≦三三≧、 \_,
`ーァ ´ `}トヘ く
{/L_ WN ト|
/ / , 、_j } V丿 「え? あたし、お金なんて持ってないよ
ム__」{、 i TV二厶」 Li〔 ここにいたら、お金なんていらないもん」
{  ̄「ヽl、 :ト ハ }|A{^V\_,
ヽ _」x \l (●)″ 〉 厂
\イ(●) , /} イ¨´
} ` /,」 Kl |
`ー─ァ≦::::{_ ト、|
/.::/厶::{ {:::}
{::::{くA/{レ':l:::|
|::::| |:::::l:::|
114 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:49:09 ID:Ah1RnJTk
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ○)(○)
. | U (__人__) 私は生唾を呑み込んだ
| |r┬-|
| ι ,.<))/´二⊃ やはり売春か
ヽ / / '‐、ニ⊃
ヽ、l ´ヽ〉 それで稼いでいるという意味なのだ
''"::l:::::::/ __人〉 まさか今からここで……
:::::::::|_/ヽ. /|||||゙!:゙、-、_
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、 考えをめぐらせていると、彼女は続けた
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
115 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:49:27 ID:Ah1RnJTk
_ _,
___,> Y´'ー-、
_>z二_ ___`ー≧__
>┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
/ ヽ `Y′之>
「ここのマンガ喫茶はね、24時間営業なの . / , l、 、 , 、 | ヽ }<
シャワー完備だし、Tシャツやショーツまで売ってる l ,ィ {7Tハ T寸寸 | }ノ |
|ハ |(●) (●) / / ,/レ′
ドリンクは飲み放題でお菓子やカップラーメンも置いてる `| ヽ 「)'/|/
ピザの出前もとれる ヽ、_ ― _,.ィT/
l 7Eニ::ィ1│
'イ/ヽ::::`l┘
i´ ̄ `|::::|
j| |::::|
/ |:::::|
/ / l lrェリ\
┏━━━┓
┃\ .┃ そういうものの料金はカウンターで立て替えておいてくれる
┗┯┯━┛ (゚Д゚*) 精算はお帰りの際で結構です、って入り口の看板に書いてあった
.| ̄ ̄ ̄|\ (| |)
.| |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| 少なくとも、あたしが来たときはね
.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ほら、ちゃんとケータイでその写真撮ってあるんだ」
.| | |
.|___________|/
116 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:50:35 ID:Ah1RnJTk
[]
_____「]
/______ヽ
| | 長 ||
| | 期 ||
| | 滞 ||
| | 在 || 彼女は携帯電話を掲げた
| | 歓 ||
| | 迎 || その画面に『長期滞在歓迎』という手書きの文字が見てた
| ~ ̄ ̄ ̄ ̄~ |
(⌒!二二二!⌒)
|⌒ ⊂⊃ ⌒|
| О (_O_) О |
| ① ② ③..|
| ④ ⑤ ⑥..|
| ⑦ ⑧ ⑨..|
| 〇 〇 〇..|
ゝ_______ノ
_ _,
___,> Y´'ー-、
_>z二_ ___`ー≧__
「あたしこれ見て入ってきたんだからさ、契約は成立してるってわけ >┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
あたしにはこの通りのサービスを受ける義務がある。 わかる? / ヽ `Y′之>
. / , l、 、 , 、 | ヽ }<
つまりね、あたしはこのお店にいる限り…… l ,ィ {7Tハ T寸寸 | }ノ |
一歩も外に出ずにひきこもって暮らしている限り |ハ |(●) (●) / / ,/レ′
`| ヽ 「)'/|/
支払いとかする必要は、ないってことよ」 ヽ、_ ロ _,.ィT/
l 7Eニ::ィ1│
'イ/ヽ::::`l┘
i´ ̄ `|::::|
j| |::::|
/ |:::::|
/ / l lrェリ\
117 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:51:33 ID:Ah1RnJTk
' / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ○)(○) 「でも」
. | U (__人__)
| |r┬-| と、目を丸くしながら私は言った
| ι ,.<))/´二⊃
ヽ / / '‐、ニ⊃ 「お店の人さすがに怒るだろう
ヽ、l ´ヽ〉 出てけって言われたりとか嫌がらせされたりとか、ないの?」
''"::l:::::::/ __人〉
:::::::::|_/ヽ. /|||||゙!:゙、-、_
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
,_ _
、-ー'`Y <,___
__≦ー`___ _二z<_
> 7  ̄、-‐ ´ ̄`'┴<
<之′Y´ ,r' \
>{ ,r' | 、 , ,. ,.l , ゙i
| !、{ | 寸寸T ハT7} ィ, l
′J゙i, ゙i ゙i (●) (●)| ハ| 彼女は次にパソコンの画面を指さした
゙i|゙i'(1 , |
゙iTィ.,_ ― _ノ
│「ィ::ニE7 l
└l´::::,r'\ト
, -‐ (_)  ̄`i
l_j_j_j と) |j
| \
/ l ヽ \
118 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:52:21 ID:Ah1RnJTk
___________
|┌──────‐┐||
| | |..|| 「ほら、あたしブログもやってるの
| | |..||
| | |..||
| |_________│||
|_________.||
__| |,,___
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_, 、- ーiiiiヽ-,,、_
-=ニ゛|||||||||||i''-''ー、ヾ||!'
''三|||||||||ζ 、 _ ` i'´
`ニ||i゙ ヾ` '~lll` (
`'||、_ ; _ _) 応援してくれている弁護士さんもいるんだ
'レ' ゙、. -―-| お店には文句一つ言わせない
人. ` 、 /
_,/( `' 、 _゙T
_, 、 -― ''"::l:::::::\ ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
_ _,
___,> Y´'ー-、
_>z二_ ___`ー≧__
>┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
/ ヽ `Y′之>
. / , l、 、 , 、 | ヽ }<
l ,ィ {7Tハ T寸寸 | }ノヘ ))
もちろんお金支払わないで店から一歩でも外に出たら (( ,ヘ, |(●) (<) / / ,/ /
その瞬間に、犯罪者になるけどね '、 `| ヽ 「)'/|/ /
\ヽ、_ ワ _,.ィT/=/
中にいる限りは、大丈夫」 < l 7Eニ::ィ1 〉
ゝ'イ/ヽ::::` 、 /
i´ ̄ `ヽ::|
j| <
/ ヽ \
119 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:53:13 ID:Ah1RnJTk
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| (⌒ )(⌒)
| (__人__) 私は彼女のことを変人だと思わなかった
| ` ⌒´ノ むしろ共感していた
| }
ヽ ヘミ|
/,` 、` -`,--` ,
__,---/;;;;;` `-,-/ニニ |
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
, -―- 、
/ \
/ \_ u .|
(●) (●)u .| 私は毎日、外の世界で仕事や人間関係に苦労している
(_人__) / もうくたくたのぼろぼろになっている
l`⌒´ /
| u ヽ それは自分の幸せのためにやってることだと思いこんできた
__!、____/:::::::\
/、 ヽ Vヽ/::ヽ:::::::ヽ
ハ ヽ Y`l ハ |::<:.! >´゙ヽ
{ ヽ_ゾノ .リ |:/::|| レi i i}_
`¨´ ヽ.□ニ|:::::|,. |ニニニニl
>:::::::::/:::: |____.|
/:::::::/ヽ:::::ヘ
_,/:::::::/ ご_ノ
( ヽ::::/
\__ノ
120 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:54:04 ID:Ah1RnJTk
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ .\
( ●)( ●) | けれども、その幸せって具体的にはどういうことだろう
(__人__) | と考えることがよく、あった
l` ⌒´ |
{ | きっと寝たい時に寝て起きたい時に起きて
{ / 菓子を食べながら好きなだけマンガを読んだりゲームにハマったりする
_. -: ´Λ _.へ` 、
r<: : : : /:|: :、  ̄r' \ :\_ そういう生活のことに違いない
/: : :l : : : : : :\`IエL>、 >ヘ::Λ
|: : : ト、: : : : : : : : : : : : : `ー/ : : V |
〈: : : :::: _ -¬--―-、: : く:r 、: : : V }
/: : :_ン´: : : : \ ,___, ィ ): : :`く : : : ヘ|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
、-ー'`Y <,___
__≦ー`___ _二z<_
> 7  ̄、-‐ ´ ̄`'┴<
<之′Y´ ,r' \
>{ ,r' | 、 , ,. ,.l , ゙i
| !、{ | 寸寸T ハT7} ィ,l
′Ji, ゙i ゙i ( ●) (●)|ハ|
i⌒ヽ'(1. ''' _' ''' ノ川/⌒)
. ヽ ヽx>、(_.ノ__,イ l |::::ヽ/
∧ 人lハ:::::l,三|:::/l| ,:::::ハ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
それを、目の前の少女は実現しているのだ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
121 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:54:42 ID:Ah1RnJTk
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| (⌒ )(⌒)
| (__人__) ここにいれば、それはずっと続くのだ
| ` ⌒´ノ なら、外に出てまた苦労にまみれる必要など、どこにあるのか
| }
ヽ ヘミ|
/,` 、` -`,--` ,
__,---/;;;;;` `-,-/ニニ |
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
_ _,
___,> Y´'ー-、
_>z二_ ___`ー≧__
>┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
/ ヽ `Y′之>
. / , l、 、 , 、 | ヽ }<
l ,ィ {7Tハ T寸寸 | }ノ |
|ハ |(●) (●) / / ,/レ′
黙り込む私のことを少女はじっと見ていた `| ヽ 「)'/|/
ヽ、_ ― _,.ィT/
l 7Eニ::ィ1│
'イ/ヽ::::`l┘
i´ ̄ `|::::|
j| |::::|
/ |:::::|
/ / l lrェリ\
122 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:55:14 ID:Ah1RnJTk
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) 今思い出すとおかしな話だ
. | (__人__) その時は本気で考えていたのだ
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln } 私もここで暮らしてみようか、なんて
. ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
ヽ__ノ
⊂⊃ ⊂⊃
⊂⊃
./!''^゙'┐
,/.'l. .゙'┐ ⊂⊃
,、....,/⌒′ ′ .\r
-‐'^゙^'''ーv、..._,,、、.._ __ ,/ .ノ′ ,、 .)、 ,,rーv.,,,___,,,,,,,,_
‐''^′  ̄ ̄^'''''ト _ノ 'v.,_ _,、、、、、ノ''^^^'″ .⌒
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,/ } /¨「 .リhz:;r--,,,,ノ、,_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ¬ノ、.「゙「|'ー、 `゙'<;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;゙=、 rミ, .ノi, ¨'‐;:::::::::::::::::::::丿
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::: ,|.i7″ .゙'''‐z,/′
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|>゙ \_
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
─ー¬冖¬ー--、、- v、........,.,、、v--'''^ ̄ -、、- v、... v--'''′
たとえば旅行でとても美しい風景に出合った時なんかに
そこに移り住んでしまう計画を真面目に考えてしまったりする
そんな経験が誰にでもあるだろう
123 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:55:56 ID:Ah1RnJTk
___ ┌――┐、
. |"''''ー-i,,,__ ┌―‐┐._l,,r――:|、 丶
===|! ll ll ii|'―i、 | MG,.イ!_|___| .\
ll ll |"''''ー-|:,、,.|.\ , ― 、 l| ̄/l |┌─―┐|_\|
===|! ll ll ii|(',,,,!'llii| . _|:109:| l| i" l |..|゚ 人, 。|..| |ヾ|
ll ll |"''''ー-|('iュ|゙ヾ| l __|::::::::::l,__ l| | /|..|(・-・<ノ|..|_|:.|
===|! ll ll ii|(n、!'llii| ./__|:| ̄|:|,,_|'i || |//|└─―┘| |ヾ|
ゞ;;ゞ"''''ー-|'愛|゙ヾ|/l/|ii|:|2c|:| |'|゙| l゙|| |/_,-|____|_|:.|
ゞ,ヾゞll_ll_ii|;;;;; !'llii|/ゞヾ.:|:|..H|:| |.ヾ ヾ;ゞ ,;;‐'''|;Gi'():∧;;;;;| |ヾ|
,ヾ、ゞァl_lミ;;|'―|゙ヾ| ゞ;ヾ,ゞ|:|_|:| ゞゞ;:ゞ.ヾ;;ゞ/|从) (∀’.;|_|:.|
ゞ ;ヾ;――|:―|!llii| ;ヾ;ゞ.ゞ =-= ゞゞ ;ゞヾ.;ゞ、/|二二二二|_|ヾ|
''|ii|" |i ̄i|.| ̄i|゙ヾ| lil,、_,、,、_,、 'ヾlil''゙|i|",、_,、 ||,__________,||.,、_,、
―-、_========== (jコ )ー゚*) ( ゚) ll ll ('jコ')
:o-o-'  ̄ ̄ ̄ ̄ ( ) c) ( ) < )
uu uu u u メ,
しかし住み慣れた街に戻ってくると、全て笑いぐさになってしまう
それと同じことだ
124 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:56:16 ID:Ah1RnJTk
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( 一)(●) 腕時計を見るだけで、私は我にかえることができた
| (__人__)
| `⌒´ノ 「面白い話、ありがとう。でも、そろそろ行かなくちゃ」
| ,.<))/´二⊃
ヽ / / '‐、ニ⊃
ヽ、l ´ヽ〉
''"::l:::::::/ __人〉
:::::::::|_/ヽ. /|||||゙!:゙、-、_
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
_ _,
___,> Y´'ー-、
_>z二_ ___`ー≧__
>┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
/ ヽ `Y′之>
. / , l、 、 , 、 | ヽ }<
l ,ィ {7Tハ T寸寸 | }ノ |
|ハ |(●) (●) / / ,/レ′
`| ヽ 「)'/|/
──彼女は黙っていた ヽ、_ ― _,.ィT/
l 7Eニ::ィ1│
'イ/ヽ::::`l┘
i´ ̄ `|::::|
j| |::::|
/ |:::::|
/ / l lrェリ\
125 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:56:47 ID:Ah1RnJTk
┏━━━┓
┃\ .┃
┗┯┯━┛ (゚Д゚*) 私はカウンターに向かった
.| ̄ ̄ ̄|\ (| |) 2時間分の料金の支払いをして、外に出ようとした
.| |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
.| | |
.|___________|/
/  ̄ ̄\
/ ノ ヽ
|:::::: (● )
「待って」 . |::::::::::: (__人)
|:::::::::::::: ⌒ノ
という声が背後から追いかけてきた . |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: }
──彼女だ ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
|:::::::::::::: |
|:::::::::::::::| |
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ
| ( ●) |
| (__人)
「行かないで」 | ⌒ノ
ン ノ
不思議な力がある声だった /⌒ヽ、 _ノ
その魔法にかからないように、私は足を速めた / ノ \__ィ ´
/ / '|.
( y |.
\ \ |
\ィン、__)、
.| ij ,ノ
126 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:57:31 ID:Ah1RnJTk
/||ミ
/ ::::||
/:::::::::::||____
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::|| / ̄ ̄ヽ|| ガチャ
|:::::::::::::::|/ ヽ
|:::::::::::::::|| |
|:::::::::::::::|| | ドアを開け、外の世界に足を踏み出す
|::::::::::::::||| |
|::::::::::::::||ヽ_ _/
|:::::::::::::::||/ ヽ|
|:::::::::::::::|| i } |
|:::::::::::::::||ノ | } |
\:::::::::::|| | i |∪
\ ::::|| ̄| ||ー| ̄
\|| (_/_ノ
_
/''''~ヽ. / ヾ
/,___, r`i、 {'ー-' /.|
/~' - ._ ヽ,__,,/ 'i >tー' |
} ,i \. | 'i | | その時、誰かが後ろから私の腕を掴んだ
/ー' /、 丶'ノ ~ |
`- ' >, 'i
/ ̄~''-ー' | 振り向くと──
.{ i __,, - '!、
ヽJ_ノ`-, / `'''' -ー,
) , .}
!、 _,,.. -!、 .{
/ヽ、 ー--― ..,,,....-=ニ', >ー'
/ /'
127 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:57:56 ID:Ah1RnJTk
_ , -─- 、
/ ニ `′二_`ヽ.\
/ / ヘヽ -‐、 \ ヽ
/ / , l f'``"" | ト l l |
! | 〃 , | l | l |、 | |.|
| l /イノー-、 rヽ!'ヽ!ヽ |
. | /l''==a= , =a==''|r、! ──男性の店員だった
|,イ| ` ̄ 〈|  ̄´ ||'イ
. ド||. ,__ヽ__、 l'イ|
l l.ト、 __ イ l |
-‐'''l ! l.\ /:| ! |`:ー-
::::::::::l,ル ト、 ` ー '´ ./!ル':::::::::::
:::::::::::::::N \ / |':::::::::::::::
::::::::::::::::| ,>< |:::::::::::::::::
128 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:58:23 ID:Ah1RnJTk
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 店の中から、少女の声が聞こえた
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 「ポケット、背広の内ポケットの中」
| }
ヽ } と
ヽ、.,__ __ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
/  ̄ ヽ〆 ̄ニ=
/ ,.ィm、 ヽ
l l゛ | ',
| リ`ヽ ,ゝト、 |
| /!なラ なラ|ノ それを受けて店員は私の胸元に手を突っ込んで
ノ イl ,`> |
. 1 `|ヾ三三三フ|
. / ト、 = ,.!_
----―'―'´| |. `' 、__、イ≡`''- 、
≡≡≡≡≡.l | / l ≡≡≡`''- 、
≡≡,r―っ≡|レリ\ / | ≡≡≡≡≡ r- 、
//二つ、 | /ヽ |≡≡≡≡⊂ニ、'ヽ \
/ / /二二) |/ 〉8〈ヽ| ≡≡≡⊂ニ、'ヽ ヽ .l
129 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:58:48 ID:Ah1RnJTk
__________
r´ ´\ \
( \ なかよひモグダン .\ 一冊のマンガを取り出した
\ \ \ 私がさっき本棚から滑り込ませていたものだ
\ \ \
\ \ \ 盗難防止のICタグを剥ぎ取っているから、言い訳はできない
\ \ \
\ \_________\
\ r´=========r´
\ 《 三三三三三三三三三=
ヽゝ==========ゝ
/:::: ...:::::::::::::::::::::... ::::::i,
i:: .:::: ....:::::::::;;;;::: :::::: ::::::ヽ
i: :: ::::::/二Y-‐!::::::::::.. .. :::ヽ
i::: : :::::::|:::::::::::::::::!::ト、:::::::: : ::::ヽ
|::: : :::::::!゙゙''‐::、 :::::!:|:ヽ::ト、::::::::::::i 「いくら読んだって、持ち歩いたって、店の中なら構わない
|::::::::::::、、 \. !| ,>i">,,,!:::/ しかし一歩外に出た瞬間、あんたは犯罪者になったってわけだ」
.. i::::::::::イ゙~゙゙゙''''‐-、 ,,. ‐''" !ノ
i::::r‐i::!" , e ( e ,,ノ/ 店員はそう言うと、私と目も合わさずに、さっさと電話を始めた
!::::{.ヒ|:| u "''‐-‐ ゙ < /ニヽ
/:::::::゙‐':| .,,_ , ,/ / ‐-、ヽ
ノ:::/;:i:: : :! \エエエェェェヮ/‐-、_ i 警察を呼ぶのだ
ノ;;;:/;:;:;|: : :|. ゙゙―---- '" .!::::〉-.ヽ .}、,,_
,,. -‐'": :!;:;:;:;:;!::::::ト、 u ‐=- !::/:::::::/ !゙''‐<゙'''‐-、,,_
,,. ‐'": : : : : : : !;:;:;:;:;!::::::| .゙'' .、 ,. ヘ;/:::::::/ !: : : :}: : : : : :
-'' : : : : : : : :,;.:-''"!;:;:;:;:;!::::::| ゙' - ''";:;:;:i: : ̄'‐-ノ: : : :/: : : : : :
、: : : :,;.:-''": : : : : : !;:;:;:;:;!:::!:|ヽ /: :|;:;:;:;:i: : : : : :\: :ノ: : : : : : :
130 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:59:37 ID:Ah1RnJTk
/ / /=ミ、ヽ_//厶 `ヽ、
/_/ 厶≦二二ミく.:`ヽ. 、_ ',
、__/ / , - ¬…'"´ ``丶、ヽ、.:', 、 ' ,`ヽ}
/ / ./ Vハ..:.:. ::ト、 ゝ
|/|/ } Vハ.:.:.:.:. .:ト、\
, ' .i .:/ ./ i トヘ }/}.: .::!:.:.:} `^`
.' |:|! :|/|:/|! | :l: :!:!: !:、 | :| |ハ7.::.:.ハ:.厶
l /|:|! :|-l'--、! :/l斗|-|-| | :| |//.:.:..:/ }′
| l|.:|:|! :l.rtッ‐、| / };ハ|;ハハ: :| :| |V.:.:i:.:.:,′
| l|.:|从:| 、_ ハ/ r‐tッ―-、} |:! !: |: |レ
| ハ:|: |:{  ̄ ヽ __冫/:/: :/: :|: |
「だからあれほど教えてあげたのに」 ヾ{ ヾ{: \  ̄ ̄ }/:/:!:/ : /!/
\: :l>.、`__ . ィ{:/: :i:|: :/
と少女は言った V |:|:|:/ノ }八从/
/|从{ {_ \
/{=‐|::|} ` ´ ̄ /⌒\ }、
{_ Vノ:::ヒュュュュュュァイ\_,ノ´ \
) ン´::::::::(o):::::::::::::∧_/ __》,
{ {::::::::::::::::::::::::::::::::f /´ }
′丶:::::::(o)::::::::::::::| (0) ./ {
′ 「`:ー------‐:| f/ |
/ \}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ(0) 〈 '.
原作 渡辺浩弐 { {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| } i
「Hな人人 第20話 チェック/アウト」 . 〉 _ }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}(0) j }
終わり f `{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:./ / /
131 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/08/28(金) 23:00:42 ID:hR5NozPI
乙
なんという酷い話ww
132 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/08/28(金) 23:18:57 ID:IqS349E2
乙。
何とも言えんw
135 名前: ◆JvRSkKoaGY[] 投稿日:2009/08/29(土) 00:04:48 ID:8ZDpClcs
,,.- .,_
ィ'"´ ⌒?
i ノ´ノ,ハイゝ 読んで下さった皆様に最大の感謝を
(ルゝ゚ -゚ノゝ
Y i `:?i,) ありがとうございます
(ン´  ̄ ヾ)
'~t_ァ_ァ
136 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 00:12:21 ID:qUJHBR3.
乙!
138 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 01:26:24 ID:XRspKqlA
おつおつー
読みやすいなぁこういう単発のは
141 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 15:48:23 ID:edFa1BBA
乙です
短いのに面白い
名前:[{{comment.comment_mail}}] 投稿日:{{comment.comment_date}}ID:{{comment.comment_user_id}}