できない夫はやってられっか代に恋してるようです 第1話
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1352213364/1 名前: ◆R2Pz3RacMM[sage] 投稿日:2012/11/06(火) 23:49:24 ID:ESkf.ZhI0
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|┃ できない夫はやってられっか代に恋してるようです ┃|
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γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
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__!, -―--ミ / /
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、 ! , ヽハ:川` 、 イ:::{::::::l::/ '
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`ヽ/ 。 0 乂_______________________ノ
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( / へ. \ Zzz......
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i (/ ) ww Y ⌒ヽ
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i γ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ \
二二二二二二二二二二二二二! ヽ
| |γ´ ̄ ̄ ̄` ヘ
| l/ _____ノ
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2 名前: ◆R2Pz3RacMM[sage] 投稿日:2012/11/06(火) 23:50:07 ID:ESkf.ZhI0
/ ̄ ̄\ ※作者から皆様へ
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| ( ●)(●)
| | | ・ このスレは作者が初めて建てたスレです。
| __´_ノ 全くのやる夫スレ初心者であることをご了承下さい。
| `ー'´}. 。
ヽ } / ・ 10日~2週間に一回程度の投下を予定していますが、
ヽ ノ / 遅筆なものですから、思うようにいかない場合もあります。
/ lヽ介/lヽ、 ,rE) また、投下出来そうな場合は1~2日前に予告します。
. | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
| | ゚| |\/____E[]ヨ_____________
_ | | ゚| |__
|\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
|\\ ⌒ ⌒ 甘 \
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3 名前: ◆R2Pz3RacMM[sage] 投稿日:2012/11/06(火) 23:54:54 ID:ESkf.ZhI0
皆さん、こんばんは。
えー、今回の作品は自分の処女作です。
多分、かなりの拙作になってしまいますが……、
頑張って完結させたいと思いますので、良ければ宜しくお願いします。
では、最初の投下は、12時15分頃から行います。
5 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:16:09 ID:1ySpUIJ.0
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6 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:16:36 ID:1ySpUIJ.0
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7 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:17:30 ID:1ySpUIJ.0
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| ̄| /10. | .2ヽ | ̄|::.. ピピピッ…ピピピッ…
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| | .|9 ,.・ 3| | |;:::: ピピピッ…ピピピッ…
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|_| ヽ8 4/ |_|;::::
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8 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:18:04 ID:1ySpUIJ.0
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// \\
| | ピピピッ ピピピッ | |
| | | |
| | ピピピッ ピピピッ | |
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/ / / /ヽ | |
_rーー‐‐ ` 、_ ∧ / |__ ..| | ……んぐっ
__ノ ̄ ̄ ̄ ̄` ヽ__`-ー´⌒ヽ_ノ ./| |
/ ̄ ヽ_ _ ーー ヽ__ ヽ、 / | | うーん……
ノ `ヽ/| /| |
/ ) |/ |_|
/ | |
/ |/
9 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:18:35 ID:1ySpUIJ.0
\ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人/
≧ <
≧ ピピピピピピピピピピピピピピピピピ…… ≦
≧ ≦
/Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y\
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| うぉぅ…… |
\ / `¨ - 、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | `Tー―ーヽ、
| ! `ヽ
r / ヽ ヽ
、 /´ \ \ \_j
` ー ⌒ー、ヽ ヽ__j´
゛'^´
ズルズル…
10 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:18:54 ID:1ySpUIJ.0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| カチッ…… |
ヽ______/
----‐== 、
\
_. 、ヽ\ ……
`ー=≦ニヽ ヽ. i \
/ ,イ | |.`J
´ U丿
´
――午前7時00分、起床。
11 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:19:39 ID:1ySpUIJ.0
……朝食をのんびりと摂取し、余裕を持って学校の支度をする。
その為に必要になる最低限の時間を確保できる起床時間だ。
/ ̄ ̄\
ノ \ \
(~)(~ ) |
| | u .| ……ふあぁ
| __`___ |
{| | .|
__  ̄ ̄ ノ. __
| |=====> く ============| |
| | / l ヽ | |
| | / /l 丶 .l | |
| | / / l } l ̄ヽ____| |
/ ̄ーユ¨‐‐- 、_ l !__ノ /| |
_ / ` ヽ__ `- {し| / | |
/ ヽ `ヽー、} ./ /| |
ノ ヽ__ `ヽ./ / .|_|
/ ノ | /
/ |/
比較的遅い時間でも平気なのは、自分が学生寮住まいだからである。
12 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:20:12 ID:1ySpUIJ.0
今日もまた、いつも通りで変わり映えしない、面倒な一日が始まる……。
/ ̄ ̄\
/ ノ \
| ( ●)(●)
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| ___´_ノ
| }
ヽ }
/⌒ヽ ヽ ノ ィヽ_
/ 、 、 〆ヾ ̄ `i ムクッ…
/ / ゙ lヾ_ ,|ヽ─ヘ
| .|
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,l ヽ スッ……
/ /
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/ , / lノ::::
/// , , i:::::
(__(__(_`/- ,_, ノ:::::
ゝ( 丿:::::
……と、いう訳でもない。
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13 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:20:49 ID:1ySpUIJ.0
――今日は、高校生最初の春季休業が明けてから最初の出席日になる。
……つまり、高校生活2年目の開幕を告げる始業式だ。
./ ̄ ̄\
. / 「 \
. | ( ●)(●)
. | | | ……
. | __´___ノ γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
. | `ー'´} | キョウノテンキデス… ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ
. ヽ } ヽ_______ カントウデハイチニチジュウカイセイニナリ、キモチヨクスゴセルデショウ… >
. ヽ ノ ゝ、_______________________/
___/⌒ヽ  ̄ ^ヽ
| | / ヽ.
| | / ==ァ'⌒つ..__ ヽ l
| | / ==/ ´二ユ二ニ= | |
| | | { ィ´ | ヽニ二二二二フ) |  ̄ ̄ |
| | \ / .丿 | ヽ>(^(^ーァ'´ \_/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
14 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:21:08 ID:1ySpUIJ.0
第2学年進級時には、クラスが総とっかえになるので、
それまでのクラスメイトの殆どとは離れ離れになってしまう。
/ ̄ ̄\
/ 「 \
| ( ー)(ー) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| | | | ツヅイテ、トウホクノテンキデス… |
| __´___ノ ズズッ… ヽ____________人
| | ̄ ̄( ̄\
ヽ \_/| |
ヽ ノ | |
特に、自分は帰宅部であり、クラス外の友人は無いに等しかった。
……実質、新たに高校生活をやり直すようなものだ。
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15 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:21:34 ID:1ySpUIJ.0
――自然、制服を身に纏う心持ちも変わる。
いつもの朝とは違い、期待と緊張が入り混じってないまぜになり、心を満たしている。
……この感覚、いつ以来だろうか。
.-‐ ‐- 、
/ ヽ
/ i
l 「 ヘ |
| (;:) ( (::::) i
| / l
l 丶 l
`ヘ`ー ‐=─-‐‐-.l __ ___ .ヘ.
、 ,、 .// !、
';. / `≧ =´l / l ヽ
. ∧ /_._ ', } / l \
. '≧ ‐-<._ ´ \' .γ´∨ / ヽ、
. ∨/////`≧ ヾ;;;}/〃 ∧/ ヽ
. ∨//////,' 〈;;;;;;;;〉 , ヘ
> ´_∨/////{ 〉;;〈 ,
> ´ ヽ、////.', /;;;∧ !
| l/////}. |;;;;;;;;;| }
i 、 、 ! トァ///.} |;;;;;;;;;| |
. ゝ ヽ_乂i |;;;」// ∧ l;;;;;;;;;l
ゝ ̄////.} l;;;;;;;;;l
16 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:22:12 ID:1ySpUIJ.0
身支度を済ませてから鏡に姿を映し、
自分に不自然な点が何ら存在しないことを確認してから、玄関に向かった。
/ ̄ ̄\
/ ノ \
| ( ⌒)(⌒)
| | |
| ___´___ノ ……大丈夫、かな
| }
ヽ ヘミ|
/,` 、` -`,--` ,
__,---/;;;;;` `-,-/ニニ |
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/' `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
17 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:22:42 ID:1ySpUIJ.0
靴棚から革靴を取り出して久しぶりに履いてみると、
その窮屈さが少しむず痒い。
! |'/∧
| ! /L_
| l / ̄〉
| | /∧
| /`i ′,∧
|L... _ │ /'/∧.
「 ̄ ` / ′/ ∧.
|..__ , /〕、 _」.
/ ̄ `  ̄|  ̄ ,〉
∠.. _ /!-‐=ニ />..
∠ ̄  ̄二ニ、 厶-、 , '/ 〉
r‐=≦ ̄ ` ∨ //`ー'´ トンットンッ
iL.. ____r‐=iニニ」二ニ´/'
`  ̄ ̄ ̄ ̄ ´ ` ̄  ̄ ̄´
18 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:23:17 ID:1ySpUIJ.0
最後に、忘れ物が無いか学生カバンの中身をざっと一瞥して、
およそ二十日ぶりとなる学校へと向かうべく、ドアノブを捻った……。
/ ̄ ̄\
/ 「 へ \
_ | (● ) (⌒ ) |
| ! | | | ……よし、OKだな
| ! | __`___ |
| ! ,.-, | `ー'´ |
_,ノ ┴、/ ,/ ヽ /
r `二ヽ ) i ヽ _ _ , ト
| ー、〉 / _,,,,ノr ` /i\,,,,_
| r_,j j__,,.. r''''"/::;| \`'/ ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
| ) ノ ::::::::;;;;;;;/::;;;;| /\ /::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
, -‐ー― - ニ 、_ ,.‐'´
', lllllllllli ,.-‐''´ `゙´
', illllllllli _ ,./ 、 _,.-
i,. illllllll(_ _ ,./. `ヾ, _ ,.‐ ''´
i, illllllllli/ ̄ メ ,. - ''´
i, illlllllr'‐'''""~~"''‐,,. ` ゝ_ _ _ ,.- ''´
i, illll!' (| i ` 、 シ` /'.,
i, illl "" 、 ./ /;;;;;;;;', ……ガチャッ
i, illi、 i,.' /;;;;;;;;;;;;;;;;i
i, illllllli、 / .-''´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
i, illllllll| ~"'=‐--‐''´''´ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'
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19 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:23:45 ID:1ySpUIJ.0
――そして、高校生活二年目の登校初日。
| ̄l\ .| ̄l\
| ̄l`| | | ̄ ̄ ̄ ̄| | \
TTTTT.| | | (┘) | | TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTlヽ
[二二二| | | | | [二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二]\lヽ
`l []l[] .| | | 日日日 | | | 田田 田田 田田 田田 田田 田田 田田 | \l
[二二二| | | | | [二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二] |i-i-i-i-i、
`l []l[]. | | | 日日日 | | | 田田 田田 田田 田田 田田 田田 田田 | |二二二]\
[二二二| | | | | [二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二] | 田田 | |
`l []l[] .| | | 日日日 | | | 田田 田田 田田 田田 田田 田田 田田 | l二二二] |
[二二二| | | | | [二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二] | 田田 | |
`l []l[]. | | l| ̄| ̄|ニl .| | | 田田| ̄| ̄| 田田 田田 田田 田田 田田 l l二二二] |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | |] _|_| [二二二| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | |/ | | _______
| | | | | |慶林高等学校 |
| | |____, _ _ | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | |
_______|_l/ . .|_|__________________________
この日、自分の学生生活が一変する、思いもよらない再会を果たすことになる…
20 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:24:13 ID:1ySpUIJ.0
――8時ちょうど。
進級することになった自分の新しいクラス ・ 2Bに到着した。
_,,. -‐_,,.´-‐ , - ̄ ¨| |l l| |!
――――――――――――――‐‐‐‐r‐ _ ̄ -‐ ' 「r ´ ̄l |l i| |l l| |!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ___ ̄ ̄`lTT´ |:|! | |l l| |l l| |!
||:::(::):::| |:| | |:|! | |l l| |l l| |!
______ └─‐┘ |:| | |:|! | |l l| |l l| |!
―――――| ________. |:| | |:|! | |l l| |l ___j| |!
::::::::::::::::::::::::::l | |「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| |:| | |:|!_ ..,,!_|l .―_¬ |ニニ -‐.| |!
::::::::::::::::::::::::::l | || 「 ̄ ̄|: : : : : : : : :|| |:| | |:|-―¬| ̄ | |l l| |!
::::::::::::::::::::::::::l | || |__.|─┐: : : : :|| ,.- 、 ,.-、_,..、_ | |l l| |l l| |!
::::::::::::::::::::::::::l | ||: : ::| ~~~~ |:: : : : ::|| ji ^ヘ! {f^f{ハ.j.}. |l ,.-- 、 l| |!
::::::::::::::::::::::::::l | ||: :: :|____.!: : : : : || .f{外ハ|. .rtハ々スヘ. |l j,、 ヘ l| |!
――――― | ニニニニニニニニニニニニニ!/ 〃,リ .j}`{^マ}Y ハ |l t `り_{ l| |!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /`¬ t_ム{LLj. |.| .l f´ーt_,ノ`ー、. l| |!
------------ 〈_!i__|__ ___/__〃i |l_{.|___|i { ハ l| |!
__}_.∟∟∟∟. r――亠―‐亠,.=亠-、‐亠_------ }j lワ {, iニ.コ_
__  ̄丁⌒ヽ. ──‐f´ ̄ ̄ ̄ ヽ ̄¨二ニ=----――-- ニ二_f´ } j__ __,! l_---_--_-_
‐う ! {--_―亠―――‐亠‐亠‐- 二._丁 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,二--―く____ヽ }―--- ニ
_____,,..ュ.{ ヘ¬ー-ニ._ー-- ---------‐‐‐―`―‐‐ァ--r,-―――‐‐-、 ̄_ー----___
 ̄¨¨´ ! }ハ..._ { }  ̄iT ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「{ l|j{{ }-- .}} ̄
j }¨し; ̄` 丶 、 l|.__________に_ ̄ .._ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`¨¨
___,,,...ノ___,,.....厂` _____`_ヽ_________l_ |_!| r‐-  ̄二_‐- .._
------------‐‐___―‐f' o o} | |..._  ̄丁 ‐-  ̄.二二二二二二
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |l | | |  ̄ ¬‐ .._ i |
……普段に比べると、少し早めの登校になる。
21 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:25:09 ID:1ySpUIJ.0
座席の位置は出席番号順になっていると、
正面玄関から入ってすぐのところに設置されていた生徒証交付所で既に聞かされた。
┏─────┓ . . ..::::::::::| || ./
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┗─────┛ . . . .:::| || || | .
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ヽ|ノ . .::| || || | : :
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\ ||\__ | ( ● ー) \,|| | ::: .:::
 ̄||. ||\|| : | ! ) \ | ::: ::::
 ̄||: || || ̄ ̄ ! --/ ノ .:::: :::::
|| || ヽ ノ \ ゙^ヽ, .:::::::
〔 / ヽ、 \ `~、
 ̄ ̄\ \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\.. \
自分の生徒証でクラス内の出席番号はわかるので、
とりあえず、窓際にある自分の座席に着席。
23 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:25:47 ID:1ySpUIJ.0
――窓から、外の様子を眺める。
 ̄ 、
´ \
/ ヽ
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':::::::::::::: ヽ
l::::::::::::::::: ヽ
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l:::::::::::::::::::::::: | ……
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ー- :.:.:.:.:.:.:.:.. ..:.:.:.:.:.:ヽ
` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
ただ、そうしているだけだが、何も考えてないでぼーっとしているわけではない。
……ちょっと、隣の人と目を合わせ辛いのだ。
24 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:26:15 ID:1ySpUIJ.0
登校前は、新クラスの級友と親睦を深めるために
早速隣の人あたりに話しかけたりしてみようか、などと計画していたのだが……。
/ ̄ ̄\
/ ノ へ \
| (ー)(ー) |
| /// |/// | ……
| __´___ ノ
| }
ヽ }
__,_,,.ヽ_ ノー- 、
ハ / V又イ ::::〉::::::i:
} ヽ 〈 l |;;|ノ /::::::::::i -,,_
r iY'ノ.;; }::ヽ l|;;| /::::i::::::::}‐ | ||
.|| | ノ:::: }:::::::\|;;;レ'ー'' ⌒.:::: ヽ | ||
.|| | {,,;;;; .:::: ヽー---ケト、, へ、:::: | ||
―──.::::::::::::ノ.:::/ / 彡}――─────
" ̄`゙゙ ''ー-、'ー----'
……今回の隣人は、自分にとって気軽にそんなことが出来るような相手じゃなかった。
と、いうのも――
25 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:26:43 ID:1ySpUIJ.0
――実は、隣に居るその人は……
(⌒
,`.:- ――-.、
/: : ::::: : : : : : : : `丶
/ ::::::::::::: : : : : : : : : : : : \
/:::::::::::::::; :' :/: : : : : : : : : : '
i:::::::::::::::/:/:::::/.:.:.:.:..:.:.:.:..:.:.:.:',
i:::::::::::::::/:/:::::::// `ーー=、.:.:.:.:.:',
|'|::::::::::/:/:::::::// ト、::::::',
!:::;::::r/::::// ─ -i:.::::::│
ハ;}::://:::/.| ・ ・ i:::::::::i}
ハN:|i::::::::i|@,, ,〃:::::/ノ
_八!|:::::i| - ィ}}.::/
_/:::ヽ !ヽ|´丶r≦::::/ノ
/ー- 、: \ ':!ヽ\j/
// ̄`丶\\\-―‐|lヽ
|{ ヽ:::ヽヽ::Yニニ!|!ト、
{ \ ヽ ヽヽi: : : |.|!| i
( ! \.ハ::ヽ::i:.:. :|.|:l__i_
……自分が長らく想いを寄せている子なのだ。
26 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:27:29 ID:1ySpUIJ.0
……そりゃあ、ちょっとした会話一つ交わすのにも勇気が必要になるわけで。
/ ̄ ̄\
ノ ヽ \
(● )(ー ) |
| | u |
|__`___ /// | ……
| .|
l /_.{
アニニ<//〉、__ __
,./ /\ / : : : : : : > : :\
_/ /|イ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
/. : : : :| ./`Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
,´ : :/: : : :| i::::::|/ : :/: : : /: : : : : : : : :|
{ : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ\: ヽ:ノ
、'ーr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ V: : : : ` :´
/ :./ ̄>< :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
/ : : :ム / : : : : ̄ ̄ ̄ ̄~゙''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
今のところ、チラチラと横目で盗み見ているだけだ。
27 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:27:54 ID:1ySpUIJ.0
……もちろん、嬉しい。
とても嬉しい。
そのまま、その子と一気に親密になったり……などと考えるだけで心が躍る。
⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ \ _________
| (⌒) (⌒) | /
|/// │ ///| / よしっ!
| __´___ | <
| |r┬ | ! \ これで俺もリア充だ!
ヽ ゙ー′ } \
/⌒ヽ ノヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ
○
о
。
___
/ `丶
,.. -‐---、....,.._/ \
,r=‐‐‐-、 / ./ f´ ̄ `) と´ヽ
,/'~ ヽ. { i ! j }! )
ノ.| '! .{ .| y='==_:、,ノ / )_!
/ ゝ !ノ. 人ノ `ヽ /<ニ!,
/ ヽ. 〈,>'<リ 〆f_.イ s!
ノ ヽ、 `y' O/テノ! .q
/. ゝ r-イ /' / .} |
、 ∫ ノ./'、 | .|
, .ゝ //´ ヽ .} |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
……だが、現実はこうだ。
好きな子を前に、頭を抱えて縮こまってしまって、情けない姿を晒している。
全くもって、自分でも呆れてしまうほどのドヘタレっぷりだ……。
……でも……
28 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:28:30 ID:1ySpUIJ.0
それでも……。
こんな有様でも、自分の彼女への気持ちは確かに本物だ。
忘れもしない、彼女を好きになった日。
……いつも、あの日のことを思い出しては、彼女への想いを募らせていた。
……彼女は今何をしてるだろうか、自分のことをどう思っているのだろうか、
またどこかで会えないだろうか、どうしたら会ってくれるだろうか、
……自分が告白したら、付き合ってくれるだろうか。
……結局、何もアクションは起こせなかったが。
29 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:29:06 ID:1ySpUIJ.0
そんなことを考えていると、
あの時の出来事が、再び脳裏に蘇ってきた――
.
30 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:29:31 ID:1ySpUIJ.0
┌┐
└┘
┌───┐
│ │
└───┘
┌──────┐
│ │
│ │
└──────┘
――それは、去年の冬季休業の直前あたりだったろうか。
……確か、課題のレポートを仕上げる必要があったので、
資料を借りるために図書室に居たのだと思う。
―――――、=i|| | | || ,―――――――――
========、/| .|| |___________| || |\,================
| | ||| | | |.l||゙ | .|| |_ ._ ._ ._ ._ ._ ._ ._ ._ ._ ._ ._ ._i| || | ゙||l.| | | ||| | | | | | | |
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三三三三]| ,| .|| |_||_||_||_||_||_||_||_|l::::: l _|| || |, |]三三三三三三三三
| 、.| || | | l||i.゙ | .|| |______ |:::::::::: | | || | ゙.i||l | | || |.、 |.| | | | | ||
|___|_||_|_|_||| |=|| |.ー――――― ヽ .ノ ‐| || | |||_|_|_||_|___|.|_|_|_|_| ||
三三三三]| .| .|| | / .ヽ | || | ,|]三三三三三三三三
|.| | | |.、||| '' | .||/ ( | | | ヽ|| | |||、,| | | |.| | | ||| | |
|.|_|_|_|__||| |=' ゝl |' ..=| |||__|_|_|_|.|_|_|_||| |_|
三三三三]|, | `.|_) .| , |]三三三三三三三三
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_|_||.|_||」.||,/ ヽ||.「||_|.||_|_|_|_||||.| |
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______
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ l\
/ \ |\\
31 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:29:53 ID:1ySpUIJ.0
その日は、参考になりそうな書籍が集められている本棚を片っ端から確認していた。
| || || || || || || || || || || || || || || || || || || || | |
| |l,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,l| | |
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| |l,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,l| | |
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| |l ll ll ll ll ll ll ll ll ll ll ll ll ll ll ll ll ll l| | |
32 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:30:27 ID:1ySpUIJ.0
大変な作業ではあったが、およそ30分をかけてようやく終わる目処を立てることが出来た。
/ ̄ ̄\
/ 「 /\'ー、 ,, ..,、
| (● / .\` 、 . // /
…… . | / \ 、,.// ../
| / ``77 /
. ヽ / / / /
ヽ.. / fヽ、/ / , -,./
/./ r-、 ヽ ∨,ノ /
|. \ 〈\.\,〉 `, f
| . \ (ヽ ヽ `.. |
| .\ \ ノ
/ ̄ ̄\
-‐' ヘ \
(ー)(ー ) |
| | | んー……
|__`___ |
| .|
l /_.{ ……この本は、要らないな
アニニ<//〉、__ __
,./ /\ / : : : : : : > : :\
_/ /|イ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
/. : : : :| ./`Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
\ パタン…… / ,´ : :/: : : :| i::::::|/ : :/: : : /: : : : : : : : :|
\ / { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
……あとは、手にとった本が本当に必要なものかどうか吟味していけば良い。
さっさと作業を終わらせるべく、本の概要のみを簡単に流し読みする行程に移った……。
- - -- ── ────────────────── ── -- - -
- - -- ── ──────────── ── -- - -
- - -- ─ ── ─ -- - -
- - - - -
33 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:30:51 ID:1ySpUIJ.0
――本の選別を半分ほど済ませた頃だったろうか。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| ……うーんっ |
ヽ______/
……妙な呻き声が耳に入った。
34 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:31:11 ID:1ySpUIJ.0
最初は、時間が経てばいずれ静かになるだろうと思っていた。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
< うぅ~~……
\________ / ̄ ̄\
/ ─' \
| ( ●)(●)
| | |
| U __´___ノ
| } __
ヽ / ̄ ̄⌒/⌒ /
(⌒ ヽ / / /
\ \ ,(つ / ⊂)
| \ y(つ__./,__⊆)
……だが、その出どころのわからない呻き声は収まるどころか、
自分が読書をしている間、絶え間なく延々と響いていた。
35 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:31:36 ID:1ySpUIJ.0
当然、何があるのか気になったので、そちらを見遣ってみると……。
-‐ -
, ´ ` 、
/ ヽ
′ i
, ___ -‐ 、:
{ ´ }
(● ) : (● )| ……?
{ i
: _ } :
、 __ / クルッ
、} \ ¨ ‐ ` / ノ
∧\ ヽ、_ / --‐'″ノ
/ニム ヽ |}マニ --‐'″
_ -=≦ニニ|ニニム ` ┐_〈 ト、ニニニ≧-
≦ニニニニニニiニニニム :i:::::::.、 }ムニニニニニ
ニニニニニニニ|ニニニム、 .' ー‐'::. !ニムニニニニニ
ニニニニニニニ ニニニニムヽ ::::::::::::.'ニニ=マニニニニ
36 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:31:55 ID:1ySpUIJ.0
――誰かが、本棚の最上部に手を伸ばしている様子が見えた。
| || || || || || || || || || || || || || || || || || || || | |
| || || || || || || || || || || || || || || || || || || || | |
| |l,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,ll,__,l| | |
| |___________________________| | |
| | | | |
| |._. _. _ ._ ._. _. 「ハ ._ ._. _. _ ._ ._. _. _ ._ ._ | | |
| |l ll ll ll ll ,.、 ハ.j | ハ ll ll ll ll ll ll ll ll l| | |
| || || || || || |.ハ / ′.! ′! ググッ… || || || || || || | |
| || || || || || | |/ ′ ′ .′.' || || || || || || || || || | |
| || || || || || | |. ,i { ′.' || || || || || || || || || | |
| || || || || || | | .}| l ./ .' | || || || || || || || || || | |
| || || || || || | j ,リ V ′ zヶ|| || || || || || || || | |
| || || || || || l .| ./ / || || || || || || || || | |
l | .ノ }
′ }'´ イ
′ ,イ
′ ′ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
j .イ | くぅーっ…… |
/_ / ヽ_ _____/
, ィ:7´::/:::`ヽ _ イ ∨
/:77::::7::ミ、:ハ /
37 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:32:17 ID:1ySpUIJ.0
……それは、自分と同学年と思われる、小柄で控えめな感じのする女子だった。
_
´ `ヽ
___ノ___, 、 ; / '.
. .< : : : : : : : : : ; l ヽヽ. / |
/: : : : : : : : : : : : : :! '; \ / !;
/: : : : : : : : : : : : : : : : :} '. : : ヽ ; / ./
/: : : : :{: : : : 、: : :ヽ: : : : ; ! : : :ヘ ./ / ;
/: : : : : : : : : :人: : : : : : : : :| l : :i: : ; / ./
. |: : ; : : :/ : : / ヾ、: : : : : : | .l: : :|: :/ /
| : ハ: : :|: : :/ `ー==二! l ; :! / ./ ; . - .、
うーん…… | : i: :'; :| ;ィ' ノ r―-< ; / L_/ ; ; . -‐ ´ /
',::ト,::::ヾ:ハ ● ヽ ヽ/ ./ゝ._. -‐ ´ _, ´ ;
あとちょっとなのに…… ヽハ:::::ト、 u \ { _.. -‐ ´
\:::八 @ _ヘ ,r ´_.. -‐ ´ ̄ ) ;
ヾ:::::>...., }  ̄ _ -― '´
'.,:{ ∨ノ `rく.ト、 >― ´ ; プルプル……
ゞ{´//|. l! !  ̄`丶 /
/// 「 '. .l! '. ヽ__, ' ;
/// ./ ヽ ヽ.ヽ , <
/// ./ ヽ ヽ `丶 ||
38 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:32:47 ID:1ySpUIJ.0
一心になって背伸びをしつつジャンプしているが、その小さな手は空を切るばかりだ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / ̄ ̄\
< くっ こっ、このっ! / へ \
\_________ (● )(● ) |
| | u |
(あれ、どう頑張っても届かないよな……) | ___`___ |
| |
r'ニ二ヽ_ |
ノ´─‐、)' ,ハ /
|. ご,¨lノー' / \
| ‘ーァ′/ |
39 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:33:16 ID:1ySpUIJ.0
/ ̄ ̄\
/ `ヽ \
(● )(ー ) |
| | | しょーがない、手伝ってやるか……
| ___`___ |
| |、
| / \
ヽ / > 冫
/ ´ /
| /
| |
……いつ終わるとも知れない徒労を続ける彼女の様子を見かねたので、
彼女の傍らに歩み寄り、本を代わりに取ってあげることにした。
! i
,L. __ /'
Y´ ̄二 /〉
| /!
| ./ 」!
l !l
| |ム
│ | ∧
! |'/∧
| ! /L_
| l / ̄〉
| | /∧
| /`i ′,∧
|L... _ │ /'/∧.
「 ̄ ` / ′/ ∧.
|..__ , /〕、 _」.
/ ̄ `  ̄|  ̄ ,〉
∠.. _ /!-‐=ニ />.. スタッ…
∠ ̄  ̄二ニ、 厶-、 , '/ 〉 スタッ…
r‐=≦ ̄ ` ∨ //`ー'´
iL.. ____r‐=iニニ」二ニ´/'
`  ̄ ̄ ̄ ̄ ´ ` ̄  ̄ ̄´
40 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:33:42 ID:1ySpUIJ.0
/ ̄ ̄\
「 ヘ \
(●)(● ) |
……なあ | | |
|__`___ |
| .|
さっきから頑張ってるみたいだけど、 ll /_.{
アニニ<//〉、__ __
どの本が取りたいんだ? ,./ /\ / : : : : : : > : :\
_/ /|イ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ /. : : : :| ./`Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
| えっ…… | ,´ : :/: : : :| i::::::|/ : :/: : : /: : : : : : : : :|
ヽ______/ { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ\: ヽ:ノ
、'ーr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ V: : : : ` :´
/ :./ ̄>< :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
/ ̄ ̄\
「 へ \
(●)(ー.) |
| | |
l __`___, ! ほら、どれなのか言ってくれれば取ってやるからさ
l {
、______ .ィ-ート、
V/_:_ュ:-:-: ヽ γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
{ャ< : : : : : : : : :. | あっ…… ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/ー-、: : : : : : : : : :'., ヽ_____ えーっと、あそこの赤い背表紙の本っす…… }
「r'、 / : : : : :`、 : : : : : : : : :'., 入___________________ノ
} r'、 ヘ、 / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
i/ ム、} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : | ……あれかな
{ い、{ Y : : : : : .\ : V: : : : : : : : |
\ ヽ {|V : : : : : : \V: : : : : : : :|
\ ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|
41 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:34:15 ID:1ySpUIJ.0
∩/ノ
__ ゝ`,ィ
/ 」 ヽ\ / ,r'
/ (●)(●)\ / /
| | | / ./ ……よ、っと
| ___´__ | / /
| | ,r" .,r'
ヽ ノ ./ /
ヽ / '" /
,.-' ./
,r'" ',
,. ‐''"``'' -、
.r''" ,>
. ///// ‐ _.,.. ‐''":/
///// /::::::::::/
/ / /:::::::::/
/ ' /:::::::/´ヽ
/// /::::, '-、 ノ …ぱしっ
/// // /::::/ ,ノ/ヽ
/ / /:::::::ゝ'" ノ
/ /::::::i´、ノ ,/ヽ
/// /, /::::::::`ァ‐'" ,.ノ
/// ///::::::::::,へ、,. イ
42 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:34:33 ID:1ySpUIJ.0
/ ̄ ̄\
「 へ \
(●)(●) |
ふぅ…… | | |
r" l __`___, !
( =‐' l {
ほら、取りたかった本って、これだよな? ゝ-' 、______ .ィ-ート、
V/_:_ュ:-:-: ヽ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ llヽ {ャ< : : : : : : : : :.
| ┏───┓ ∥| /ー-、: : : : : : : : : :'.,
l l. //
l l //
(⌒
,..::'` ̄ ̄`:ー-、 ニニ
/.:.:.:.:./\:.:.:.:.ヽ:\
/: :/:.:.:./ `ー-=、ゝヘ
|:.:.:i:.:.:.:l ⌒ ⌒ ト、:ハ
|:.(|:.:.从 ・ ・ l:.i/
ヾ:.ヾ:.:.:.!@,, r‐ァ ,j:|ソ
ヾ、ヾゝ、  ̄,ノ!//
/ ヽ{ ト、ヽ l:′
∧\ マ三ソ| \
/: : \\ ヾ-〃 /∧
43 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:35:46 ID:1ySpUIJ.0
――別に本を取ってあげただけだ。
大したことはしてあげていないが、彼女は最高の笑顔を見せてくれた。
, -―- 、
/ ヽ
{
__!, -―--ミ
. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::`:ヽ
. 〃:::::/:::::::イ:ハ::::::::::::::ヽ::ヽ::\
. /::::::〃:::::::/::::/ ,:::::::::::::::ヽヽ::::ヽ
/::::::/::::::::::/::イ ヽ::::::::::::::::::ヾ:::::::', n __ ___
. /::::::/::::::::::イ斗.ト ヽ::-‐-::::::}::::::::} | |└‐tノ └ーtノ __
. ,'::/::;':::::::::::∧/ \::::}::、ヽ::::::! U につ 广ー┐ つ) ..
. !∧::{::::::::::イ ⌒ ⌒ ヽ!::リ``:ト{  ̄ ̄
ヽ:ヽ:::/::!@// , //@/::::::::从
ヽ{/:::イ:::ヽ r-, イ::::}::::∧i うん、そうっす!
ヽハ:川` 、 イ:::{::::::l::/ '
rへヽ `´{::::人::!::::リ/
イ ∨∧ ヽ |/ 〉ヽ、/´ ……ありがとう!
f´ ヽ. ∨∧ /只< /} リ `ト
i ヽヽ、 \ \〈 i ∨∧/ イ/ i
| ヽ`i `` /r―――- / .}
|. j , -‐≧--ミ__ | 〉
| / ', ’ ア l
j 〃 | } ノ |
. // } }⌒イ .|
/ / ノ j !
ヽ / ̄ ̄ ̄
ヽ ____/
……何だか、その笑顔がとても眩しくて……。
.
44 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:36:40 ID:1ySpUIJ.0
……言い様のない、胸の高鳴りを感じた。
/ ̄ ̄\
/ `ヽ \
. (●)(● ) | ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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l __`___ /// | :::::::::::: ドキッ…… :::::::::::
{ `ー'´ l :::::::::::: :::::::::::
{ / ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
__\ /リ 厂`'‐- .._
/ : : :介ーz<__」// |: : : : : : :ヽ
| : : : : ::〈 「`乂/ / 丿: : : : : : : |
| : : : : : /: | {::::} / `7: : : : : : : :│
| : : : 〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |
それは、それまでに味わったことのない感覚だった。
45 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:37:14 ID:1ySpUIJ.0
……とても心地良く、……それでいて、自分を落ち着かせられなくなってしまう……。
そういう、不思議で理解し難い気分になった。
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー)
| /// | |
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | u __´___|
:::::::::::: ::::::::::: | }
:::::::::::: ドキドキ…… ::::::::::: ヽ ヘミ|
:::::::::::: ::::::::::: /,` 、` -`,--` ,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: __,---/;;;;;` `-,-/ニニ | (あれ、俺……)
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::| (……どうしたんだ?)
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
46 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:37:41 ID:1ySpUIJ.0
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::: :::::::::::
:::::::::::: ドキッドキッ :::::::::::
:::::::::::: :::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
――彼女の目の前に居る気恥ずかしさ。刻一刻と高まる胸の動悸。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::: :::::::::::
:::::::::::: ドキッドキッ :::::::::::
:::::::::::: :::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.
48 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:38:28 ID:1ySpUIJ.0
……理由も分からないままに湧き上がるそれらに耐えられなくなった自分は、
そそくさとその場を後にすることにした。
─ -
/ \
. , ' '
/ |
i ノ ヽ、 |
| | じゃあ、俺、もう戻らないといけないから……
. ( ⌒) ( ⌒) |
/|/|/ {
| ハ 、
ヽ 、`_ ノ ./ / }..\
, -.\ / / l::::}::::..... _
/i::::::::::::l:::i. ̄、 ./ l:::::i:::::::::::::, '::ヽ
/:::::i::::::::::::l::::l 〉∧ ./:::::l::::::::::,:::::::::::::ヽ
/::::::i::::::::::::l:::∥./i:::::iヘ ./:::::::l:::::::::i::::::::::::::::::l
/:::::::::i::::::::::!::::l.∨.{::_::}∧/::::::::::l:::::::::i:::::::::::::::::::
/::::::::::::i::::::/:::::| l::::::l ./::::::::::l:::::::::i:::::::::::::::::::
../::::::::::::::i::::/::::::l l:::::::l ./::::::::::::l::::::::i::::::::::::::::::::
./:::::::::::::::i::/::::::::l l::::::::l /::::::::::::::l::::::::i::::::::::::::::::::
⌒)
,,-‐'´ ̄ ̄´ー-.、
,ィ'´; : : : : : : : : : : : :ヽ
/: ;イ: /\ : : ヽ、: : : ヘ , η
,′八/ `ー-=、 : : : | 。´ っ
……あっ i / i:/ / \ ヾ: : :| ,、 ゞ
|′lイi ・ ・ ゞ:、:i:| ヾ)
ちょっと待って欲しいっす! '1( _ @i: Ⅳi
|: :\ ( ヽ _ イイ.:/
Ⅵ/,ィ≧ー≦、7;イ;/
,イ´ 〈ニ.ニ7 ∧
∧ ヾ-/ //',
i:::::\_ り//:::::::l
!:::::::::::::|<V>|:::::::::::::i
49 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:38:52 ID:1ySpUIJ.0
……後になって思ってみれば、この時、彼女に一目惚れしてしまったのだろう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/.:.:.:.:.::::::::::::::::::厶=-‐-.、_ | トッ トッ トッ トッ…… |
/.:.:.:.:.:.::::::::::::::::/.:::::::::::::::::| ハ ヽ________/
/.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::/.:::::::::::::::::::jこ jリ
/.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::/.:::::::::::::::::ィヨ {{
l.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::..<´ |主 }ト、
\.:.:.:.:.:::::::::::::::::/ \'「 `ヽノリ.::',
` ー一'´ ̄ ヽー彡'.::::::\
`ヽ.:.::::::::::::丶
∨.:::::::::::ハ
∨/.:::::::::::}
V.::::::::::::::ヽ
〈.:::::::::::::::::::}
Y.::::::::::::::入
` ー=≦∨〉
}主}`ヽ/
j主j_ ,ノ|
/ー‐ヘ.ノ
{ー‐彡'
だけど、心に余裕なんか無くて……
その時は、わからなかった。
50 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:39:54 ID:1ySpUIJ.0
その日、彼女を一人残して逃げるように立ち去ってしまって……
後になって自分の気持ちに気付いても、奥手で何も行動を起こせなかった自分は、
クラスが違う彼女と接することの出来る機会をまるで作れなかった。
……何度となく、あの時に自分の気持ちと向き合わなかったことを後悔した。
────────────────────────────
─────────────────────
──────────────
──────────
51 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:40:25 ID:1ySpUIJ.0
――既に、あれから4ヶ月近くが経っている。
……今は、彼女のことが好きだという気持ちにはっきりとした自覚があるし、
時が経とうとそれはなお変わっていない。
/ ̄ ̄\
/ -‐' \
| U ( ●)(●)
| /// | l ……
| ___´__ノ
l^l^ln }
ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
/ / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
……だが、再び彼女を前にしてみると、
どうしても独特の気まずさを感じてしまい、気が引ける。
.
52 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:41:03 ID:1ySpUIJ.0
心の中には、「彼女と仲良くなりたい」という欲求も当然立ち現れている。
……そして、黙っていてもそれが叶わぬことも分かりきっている。
/ ̄ ̄\
/ (ヽ(`_
| U rヽ`ヽ、`ヽ ……
| i i_) 〉
_|_____. ヽ ト__
---イ――--.、ヽ ヽ _ / ::::::: ',
/:::::::::::::::::::::::::::/⌒ヽ.´_ノ〈:::::::::::::::: ',
/:::::::::::::::::::::::::::/ ::::::::::`ヽゝ V:::::::::::::::: ',
/:::::::::::::::::::::::::::/::::/:::::::::: ヽ V:::::::::::::::: ',
/:::::::::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::_ __ヽ-ト、::::::::::::::: ',
/::::::::::::::::::::::::::::::l :::::::::::::''''''''""::::::::::::::\:::::::::::::::: l
……それでも、最初の一歩を足踏みしてしまい、なかなか先へ踏み出せない。
ただ、自分の心を無理やり抑え込んで、結論を先延ばしにしているだけ……。
- - -- ── ────────────────── ── -- - -
- - -- ── ──────────── ── -- - -
- - -- ─ ── ─ -- - -
- - - - -
53 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:42:00 ID:1ySpUIJ.0
それから、どれほど時間が経っただろうか。
……うじうじと迷い続けていたが、どうにか覚悟を決められた。
-‐ -
, ´ ` 、
/ ヽ
′ i
, ___ __ :
{ ´ }
( ー) : ( ー)| (やるしか、ないよな)
{ i
: _ } :
、 __ /
、} \ ¨ ‐ ` /
∧\ ヽ、_ /
/ニム ヽ |}マニ=- _
_ -=≦ニニ|ニニム ` ┐_〈 ト、ニニニ≧-
≦ニニニニニニiニニニム :i:::::::.、 }ムニニニニニ
ニニニニニニニ|ニニニム、 .' ー‐'::. !ニムニニニニニ
ニニニニニニニ ニニニニムヽ ::::::::::::.'ニニ=マニニニニ
ニニニニニニニニiニニニニム \::::/ !ニニ7ニニニニニ
54 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:43:26 ID:1ySpUIJ.0
――この機会は、またとない幸運なチャンスだ。
これを逃せば、もう、きっと後は無い。
/ ̄ ̄\
/ 「 \
| ( ⌒)(⌒)
. | | | ……あのさ
. | /// __´___ノ
| `ー'´}
/\ }
/::::::::\ ノ
. /:::::::::::::::::::\ ,一
/::::::::::::::::::::ヽ`エ
/::::::::::;::-─:::::::: : :ヽ∨
. /:::::::/: : : :::::::ヽ:::\: ゙|
_
く\ |│ /7
\> Ll //
_
´ `ヽ
――ノ. .
:´: : : : : : : : : : : : : :`: : .
: ´: : : : : : : /: : : i: :`ヾ \: : : :.\
: ´ ´ : : : : :./ : ;': : : : | : : : : : : ヽ: : : :)ヽ
: :´イ; : :. :./: : :./ : : | : : : :l: : :\: : : : :. ー: :.:ヘ
 ̄ /:/: : : :/: : :./: :/\ : : !: : : : :ヽ: : : :. : : : : .:.
/ ; イ / : /: : /:i/ \: : :、 : : : :ヽ: : :i : : : : :i
/ / / ': : :': : :.i/ ヽ、: : : : : : : : |:. :.:i: : :.
'.:/ ':.:|: : :|!: : ;′ `ー-==、: : |:. :.:|:.:.:i:..
|/ |: :|: : :|l: : | ── ── ヾ;ハ: :l: : ト、:..
{' |: :|: : 八: :l ● ● メ' : : : |: : ! `\
|: ハ: i:.小ハ ハ /: /):.:.|
|:' 从:.:|: ヾ:.@ ' @ムイ:.:/イ∧乂
八! ヾ : iハ _ ; : : イ ノ′
∨: : ヽ イ: :/}'
ハ: : 从:> .< /: :i
人: :.| ヾ小 ≧≦ 小/: ヘ{
>乂:. :r' ノイ \
/ : : : : :| __ /:. :.: :.:\
イ:. :. :. :. :. :|´__ `:/:.: :.: :.: :. :.\
あの時以来味わっていた、胸が詰まりそうな思いを、もう終わりにできる。
.
55 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:43:57 ID:1ySpUIJ.0
, -―=ミ 、
´ `ヽ }
}/
_ r-‐ノ-―-ミ
/:::::/::::`ヽ::::::::::ヽ::::::::\
/::::/::::{::::::::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::::ヽ __
〃::::::::;':::::ハ::::::::::::::::::ヽ:::::::::::ヽ::::::ヽ <´__,)
イ::::::;'::::{:::::{ ヽ::::::::::::::::::ヽ::::::::::';:::::、:ヽ __
|::::::{:::::|::::ハ \::::__:::ヽ:::::::::}:::::::ヽ:} `、_)
!::::::|:::::从 ヽ、:::::`ヽ}、::|:::ヽ::::ヽ
えっと…… ,::::l:::::f斗 ●`ヽ::|::::::l::::::ト:::::::}
',:::::::ヽ::::{ ● @:::::人::::} ヽソ
ハ::::::::ヽ@ ィ::/::::ヽノ /
な、何すか? ヽ:::::::::人 r , / {;':::::::∧〈
\/:::::::::>‐- r ´ !::人/::::ヾ
\::::::从人::j ヽ、´ `
ヽ _ ノ´ ヽ / ̄ヽ
/ ̄ ̄\
/ 「 \
| ( ●)(●) ……あー
| U |│
| /// ___´__|
| u. ´ } そ、その……
ヽ u }
ヽ ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::|
――顔が火照る、喉が渇く、言葉が出なくなる……。
……それでも、一度話しかけてしまった以上、後戻りは出来ない。
56 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:44:38 ID:1ySpUIJ.0
働いてくれない頭を必死に回転させて、
言いたいことを伝えるのに最低限必要な言葉をなんとか絞り出す。
__
./ \-一ヽ、 __r‐- 、
./ ノ \ 7 7 } : : : :\__
| ( ⌒)(⌒)/` ‐ / /: : : : : : : : : :` '' ‐-、__
| u | |‐-─≦/ : : : : : : : : : : : : : : : : :丶、 覚えて……ないか?
| /// __´__ | └‐-、__:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : ヽ
| | `ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : }
} 、 / _,. -<`丶、.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : :/ 去年、図書室で……
ハ、 ` ─ ィ--─一⌒V : : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:r´
_ ,.-=〈:.:'、`ヽ、___ ヘヽ:.\: : : : : 、: : i:: : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:/
_< : : : : ∧ :ヽ /:::ヽ Vヽ:ハ : : : : :ヽ: : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:./
, -‐ '´: : : : : : : : : : :∧、 ∧::::::∧ l: : <:_: : : : :i: : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:_r'´
/: : : : : : : : : : : : : /: : l V !::::{ `!: : : : : : l: : : i:: : : .:.:.:_、-‐''゙´
f : : ヽ : : : : : : : / : : : : l l::::::i l: : : : : /. : : :!/  ̄
⌒)
,.:-‐'´ ̄~´ヽ、
/:./\:.:.:.:.ヽ:.:.:\
/:.:./ `ー-=、ゝ:.:.:ヽ
〃:.:.l ⌒ ⌒ ,ゞ:.:.:.:.:|
……あっ レ!小l ・ ・ 从:|)`ノ
レ|ヘ ヤコ ,@/:ソノ´
レ'.ゝ、 イレ'ソ
,イ ヒミア ヽ
/! l l / , イ}
/:::l l l / . イ::::::: |
/バヘlレ"イ::::::: |::::::::|
/::ヾ:::>大〈|::::::::::|::::::::|
{:::::::::::}/| トイ::::::::::|::::::::|
ヽ::://|| | |:::::::::::|::::::::|
57 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:45:45 ID:1ySpUIJ.0
(⌒
,..::'` ̄ ̄`:ー-、
/.:.:.:.:./\:.:.:.:.ヽ:\
/: :/:.:.:./ `ー-=、ゝヘ
|:.:.:i:.:.:.:l ⌒ ⌒ ト、:ハ
|:.(|:.:.从 ・ ・ l:.i/ j^l
ヾ:.ヾ:.:.:.!@,, r‐ァ ,j:|ソ .r' _ヘ、 ……あの時、本を取ってくれた人っすか?
ヾ、ヾゝ、  ̄,ノ!// {__ヽ_,,〉
_,.:-‐'´{' ̄ヽ〉ー- .、 /::: ̄::}
r'ヽ、 |'ニニ} / /::ヽ、,,ノ:::::::::::/
/:::\\ |゛ ̄| / /:::::::::::::::::::::::;/
{:::::::::::\\ | | / /:::::/:::::::::::::/
/ ̄ ̄\
「 ヘ \
(⌒)(⌒ ) |
……良かった、覚えていてくれたんだな | | |
|__`___ /// |
| `ー´ |
l /_.{
アニニ<//〉、__ __
,./ /\ / : : : : : : > : :\
_/ /|イ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
/. : : : :| ./`Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
,´ : :/: : : :| i::::::|/ : :/: : : /: : : : : : : : :|
{ : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
58 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:46:50 ID:1ySpUIJ.0
完全に忘れられているとか、そもそも嫌われているとか、そういったことはなさそうに見える。
……とりあえずは一安心だ。
__
,r'´ `
{
ヽ
,. ':.`:.:. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:.:.` 、_
,r'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.` 、
,.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:.:.、
,':.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.:.:ヽ
,':.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:/\:.:.:.:.:.:i:.:.:.:\:.\:.:,ハ
|:.:.:.:.:|:./:.:.:.:./:.:/:.:/ ヽ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.!:.:.:.|:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:|:i:.:.:.:./:.:/:.:/ `ー-==、:.l:.:.:.:!:.:.il:.! 本を取ってくれたと思ったら、すぐにどこかに行っちゃって……
|:.:.:.:.:|:ト、:.:.|:.:/:.:/ ⌒ ⌒ ヽ!:.:.:.|:.:∧!
|:.i:.:.:.N:.:\!/:.:/ ● ● |:ヽ;'j/
|:.|:.:.:.ト、:.:.:.:.:.:〈 @ 、 @|:.:.:.;ハ 結局、あれからまともに会うこともなかったっすけど、
|;ハ:.:.:.!:.\:.:.:.:.:ヽ、 ,人:.ハ:.:!
'′\|:.:.:.:.\:.:.:.〈 r-‐ , ,.イ、:.:.|:! j/ しっかり覚えてるっす!
ヾ、:i:.:.ヽ:.:.:\ .._`こ イ´ ヾハ|
,. 、ヾト、ト、>ー-ヽ { `ヽ、
,ィ;';';'`ヽ\\:. :. :. :ヽ-'´ ̄\ヽ ー 、_
,イ;';';';';';';';';'\ヽヽ:.__ヽ===、`}:. :. :.} }丶
59 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:47:53 ID:1ySpUIJ.0
――すると、不意に彼女は机から何か紙切れを取り出した。
⌒)
,、.. -‐ ―一´- .、
, :´: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
ハ: : : : : /`ヽ、: : : ヽ: : : : : : ',
,イ: : : : :ソ `ー-=二ゝ: : : : :l
l : : イ ⌒ ⌒ 〉: : ;ハl
そうだ、私の隣ってことは、 lハ从 ・ ・ /; : : /
ヾ: ゝ@,, ,,@.イ: ;ハ/
ヾl ヽ、 _ ^ _ ,. イ l/
名前は…… / |__/ ヽ
/\ |__,/ /\
\ │ / /
_ ________
r―-''''''""""¨ |
l |
,.'-‐-、 |
〈_,.rニ=、 |
( r_rk=ニ、 |
λ _,.-‐く |
K_,.-‐''" |
|__,,,......--―─='''''''' ̄"
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ 「 \ '_
(⊃ ( ●)(●) 、
| | | ……ん?
| __´___ノ
| `ー'´ } \ それ、何だ?
/ヽ }. \
/ ヽ、.,____ノ )
/ . | _/
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
60 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:48:34 ID:1ySpUIJ.0
⌒)
,.:-‐'´ ̄~´ヽ、
/:./\:.:.:.:.ヽ:.:.:\
/:.:./ `ー-=、ゝ:.:.:ヽ
ああ、これはクラス名簿っすよ 〃:.:.l -‐ ‐- ,ゞ:.:.:.:.:|
レ!小l = = 从:|)`ノ
教室に来る時に、すれ違った担任の先生がわざわざくれたっす レ|ヘ 、_, ,@/:ソノ´
レ'.ゝ イレ'ソ
,イ´ 〈ニ.ニ7 ∧
……マメな人っすよねぇ ∧ ヾ-/ //',
i:::::\_ り//:::::::l
(⌒
,..::'` ̄ ̄`:ー-、
/.:.:.:.:./\:.:.:.:.ヽ:\
/: :/:.:.:./ `ー-=、ゝヘ
|:.:.:i:.:.:.:l ⌒ ⌒ ト、:ハ ……良かったら、見てみるっすか?
|:.(|:.:.从 ・ ・ l:.i/∩/ノ
ヾ:.ヾ:.:.:.!@,, l マ .,j:|ソ .ゝ`,ィ
ヾ、ヾゝ、 ` .,ノ!// / /
/ ヽ{ ト、ヽ l:'、 / /
∧\ マ三ソ| ヽ ' /
61 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:49:03 ID:1ySpUIJ.0
――彼女と一緒に、クラス名簿を覗き込む。
……つまり、彼女とより距離を縮めるということになる。
隣に座っているだけでいっぱいいっぱいなのだ、どうしても躊躇してしまう。
__
/ ̄ ̄\ <´__,)
/ ノ \ _
| ( ⌒)(⌒) `、_.)
| | |
. | /// ___´___ノ ええっと
| }
ヽ ヘミ| ……い、良いのか?
/,` 、` -`,--` ,
__,---/;;;;;` `-,-/ニニ |
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
, -―=ミ 、
´ `ヽ }
}/
_ r-‐ノ-―-ミ
/:::::/::::`ヽ::::::::::ヽ::::::::\
/::::/::::{::::::::::::::ヽ:::::::::::ヽ:::::::ヽ
〃::::::::;':::::ハ::::::::::::::::::ヽ:::::::::::ヽ::::::ヽ
イ::::::;'::::{:::::{ ヽ::::::::::::::::::ヽ::::::::::';:::::、:ヽ
……? |::::::{:::::|::::ハ \::::__:::ヽ:::::::::}:::::::ヽ:}
!::::::|:::::从 ヽ、:::::`ヽ}、::|:::ヽ::::ヽ
別に、全然構わないっすよ……? ,::::l:::::f斗 ●`ヽ::|::::::l::::::ト:::::::}
',:::::::ヽ::::{ ● @:::::人::::} ヽソ
ハ::::::::ヽ@ ィ::/::::ヽノ /
ヽ:::::::::人 r , / {;':::::::∧〈
\/:::::::::>‐- r ´ !::人/::::ヾ
\::::::从人::j ヽ、´ `
ヽ _ ノ´ ヽ / ̄ヽ
……しかし、下手に戸惑っては、彼女に自分の気持ちを悟られてしまいかねない。
62 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:50:02 ID:1ySpUIJ.0
……極力、何でもないように繕いながら、彼女の方に身を乗り出した。
/ ̄ ̄\
/ 「 \
| ( ●)(●)
| | |
| /// __´___ノ じゃあ、お言葉に甘えて……
| `ー'´}
/\ }
/::::::::\ ノ
/:::::::::::::::::::\ ,一
/::::::::::::::::::::ヽ`エ
/::::::::::;::-─:::::::: : :ヽ∨
/:::::::/: : : :::::::ヽ:::\: ゙|
/:::::::/: : : : :::::::::::::|::::::::} j
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,. ''"``ヾ:、
i:〉
,ノ'′
, ' ´ ̄´ ̄ ̄ ̄` ' 、
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/:::::/|:::::::::::::.ヽ:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
/:::::::/ |:ト:::::::::::.ヽ:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
':::::::/ |:| ',:::::::::::.ヽ:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.ヽ
l::::::::′ l:| \:::::::::.ヽ:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.ヽ
l:::::::l  ̄ヽ l:| __ゝ::::::::.ヽ:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ
l :::::l ヽ `<:::.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:}
はい、どうぞ |::ト、| ● 、:.:ヽ:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.l
|:j |. ● .ヽ:.:.:.;.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.ヽ_
レ. l , }:.:.;.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:iー'⌒
'、@ .ノイ、:.:.:.:.:.:ヽ:,ヘl
. /¨l \ `マ: :‐┐ @ ζソ、:.:.:.:.:l/ .!
/ / \ `ー‐' .イ ∧:::/ ̄ ̄ ´
ノ / ` -r ' ´ ./ V
∠ / _l '
/__ \/.) ,. :'´:__/ |__
/ _ \ | / ,ィf.:.:.:.:.:.:.:./ ,. :'´.:.:.:{
. / _ }_/7/,イ:l |.:.:.:.:.:./\ ,. :'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
63 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:50:36 ID:1ySpUIJ.0
――クラスメイト全員と、お互いの名前を名簿で確認するのは良いのだが……。
やはり、目の前にある彼女の顔に意識が向いてしまう。
/ ̄ ̄\
/ 「 \
| ( ●)(ー)
| | | ここは窓際で後列の方の席だから…
| /// __´_ノ
| `ーnl^l^l (すごく、近いよな……
ヽ | ノ
ヽ ヽ く なんか、良い匂いがするし……)
/ ヽ \
_
´ )
, ' ´ ̄ ̄´ ̄ `ヽ、
/: : : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : :入: : : : : :ヽ: : : : : :ヽ
/: : : : :/ ヽ、: : : : :ヽ、: : : :l
l : : : :/ `ー-==、: : : : :l
l : : : :| ─ ─ ,从 : : ハ ……あった、これっすね
Nト、: :l ・ ・ イ: : : :l
ヽ!: :ヽ.@ , @/: : ∧l
ヾト: :ゝ、 o イ: : :ハ
ヽハl > ー ‐ <、ヽ;/
_, ィr'´ヽ{ ___`} ヽ、_
/| l:| | ===| |:l゙ヽ
/ | l:l l l l::l l
l ヽハ l l // |
64 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:51:49 ID:1ySpUIJ.0
まだここに来ていないであろう知り合いの名前もちらりと見えた気がしたが、
……まるで頭に入らない。
_
´ `ヽ
___ノ__
. < : : : : : : : : : : > .
/: : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: : : : : : : : ;、: :: : : :ヽ: : : : : : : .
; : : : : : : ,': :ハ: : : : : : :ヽ: : : : : : :.
.: : : : : : :/ :/ ヽ、: : : : : :ヽ : : : : :. へぇ、できない夫くん、っていうんすか?
ノ {:/: : : :.ムイ `ー-=二、: : : : :ト、
く:≪:.{: : : : : :/ ⌒ ⌒ ,}: }: : : :.l:: ) ……初めて知ったっす
ヾ ,ハ:{ : 人{. ・ ・ /:.ノ: : :.:lノ、
. }:: }ヘ/:.:/\@ 、 @イ : : ハ:ト、:.、
l::/:/{:.:ハ: {人 -‐ァ . 仏イ/:::}|:: \
. /:/: |:{ :乂 :::.`≧=- -<:::}:::/:::: リ:/ )
,':/ヽ从::::::::::::::\┘ `¨|::::::::::::::イ- 、
. 乂 ,><;;::::::::: \‐== ┤::::::::/ { \
/ {ヾ三::::::\: : : :!:::::::/ :/ | / `
/ ̄ ̄\
/ ノ ⌒ \
まあ、あの時は名前も教えなかったからな…… | (⌒)(⌒) |
|/// | /// |
| __´___ j
そっちは……、 | `ー'´ }
ヽ }
えっと……、加代……さん? ヽ ノ
/ く
……好きな女の子が間近に居るだけで、こんなに体が熱くなる。
65 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:52:45 ID:1ySpUIJ.0
――途端、思わず彼女を名前で呼んでしまったことに気づく。
/ ̄ ̄\
/ 「 \
| ( ●)(●)
. | |│ ……あっ
| /// ___´__|
. | ´ー‐‐}
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ̄ ̄\
/ `ー \
. (ー)(ー ) |
……その | | u |
l___`___ /// |
{ |
何て呼べば、良いかな……? { /
__\ /リ 厂`'‐- .._
/ : : :介ーz<__」// |: : : : : : :ヽ
| : : : : ::〈 「`乂/ / 丿: : : : : : : |
| : : : : : /: | {::::} / `7: : : : : : : :│
| : : : 〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |
……別に名簿の名前を読み上げただけだから、意識することなんてないのに。
66 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:53:19 ID:1ySpUIJ.0
それに、彼女は大して気にもしていないようだ。
……多分、こちらのことをそれほど男として意識してくれていないのだろう。
_
´ `ヽ
__ノ__
. .<: : : : : : : : : : :>.
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
. /: : : : :{: : : : 、: : :ヽ : : : : : : : : : : : ヘ
,: : : : :i: : : : :入: : : : :ヽ: : : : : :ヽ: : : : ! ……
: : : : :.| : :/ \: :.:.:.:ヽ: : : : : }: : : :|
!:{: : : :|:.:/ `ー==二、 : l : : . !
.人l: : :./:/ -─ ─-.}: :/: : : :{ やってられっか代とか、られっか代って呼ばれてたから……
lト、:/:人 ● ● イ: : : ト、.:、
ノ._乂_:.:廴 |: }: :.' ヾ} それで、良いっすよ?
{:{ :.:.:.ヽ@::: ' :::@.イ:/:./ .ノ
从: : :.込. ー .イ//: /
}\: :ト、{`≧=-:< /イ}:/_
_\-`ヘ' L/:::::::://::>
.<≪:::::::::::::∧-===:./:::::::/'://:::>、
……何だか、ちょっと物悲しい……。
.
67 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:53:52 ID:1ySpUIJ.0
……それでも、落ち込むにはまだ早い。
/ ̄ ̄\
/ ノ \
| ( ⌒)(⌒)
| | | それじゃあ……
| /// __´___ノ
| }
ヽ ヘミ| ……られっか代、さん
/,` 、` -`,--` ,
__,---/;;;;;` `-,-/ニニ |
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
ずっと会いたかったが、その機すら得られなかった彼女と、
同じクラス、しかも隣の席になれただけでも、願ってもない奇跡なのだから。
68 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:54:50 ID:1ySpUIJ.0
少なくとも、悪い印象は持たれていないだろう。
これから、一歩ずつでも彼女との仲を深めていけば良い。
(⌒
,. -‐`───‐-.、
/ : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
/: : : : : : : : : : : : :ヾ: : :ヾ: :\
,' : : : : : : : : : : ;、: : : : : : : : \:ヽ
|: ;{ : : : : : : :/ \: : : : ヾ: : :ヽ:ヽ
|;八: : : : : :/ `ー-=、:ヾ: : }ヾヘ
|: : :ヾ: : : :{ ⌒ ⌒ヾ;ソ;ハ ``
}:ト、: : : : :{ ・ ・ ∧: :.ト、 ……うん
リヽヽ: \:{@ , ! }: :} )
};∧: ;ハ`ゝ、 、, .イ }:.:/
_ \}ハ:.≧- . <乂 Ⅳ これから、よろしくっす
/ ヽ}! } {`ー_、
.:' 二ミx \ x---}/ / ニノ)-、 できない夫くん
_ 匕´/: : : :`ヽ\ r-'´ <//〉 }
⌒ー―/: : : : : : : :\ー/ ⊂二、〃
〈: : : : : : : : : : ノ:/ /`ー'^ー' {
`ヽ: :/`ー<:./ //ー〈:.}/ |
}/ 二ニ/ //::::::::}ノ{ !
ヽ_( / //::::::::/.\ /
/∧ ,' {:::::::::{:} `¨´
.: : :∧ ,ノ: :Lニ彡′
ノ: : : : :`¨´: : : : : : :.{
……いつか、彼女を自分に振り向かせてみせる。
.
69 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:55:51 ID:1ySpUIJ.0
――高校2年生。
これからの毎日が、楽しみだ。
.
70 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 00:57:58 ID:1ySpUIJ.0
第1話は以上になります。
……改めて見ると、恥ずかしい作品ですね。
合いの手入れてくれていた方、ありがとうございました。
正直なところ、一人も見ていなかったらどうしようと、かなり不安でした。
71 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2012/11/07(水) 00:59:37 ID:CX.TCG760
乙でした
まあ直球の青春物なんて、後から見れば恥ずかしくて当然だから
72 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:00:14 ID:1ySpUIJ.0
やってられっか代をヒロインにしたい!
という思いだけで始めてみたのですが、やはり難しいものですね……。
特に、テンポ感の作り方や場面転換のやり方がさっぱりです。
出来た!と思って読み返してみると変だったり……。
73 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2012/11/07(水) 01:02:38 ID:Izi8pDB60
乙でした~
甘酸っぱい感じがいいっす
このスタートラインから、2人の間にどんな事件が起きるのか…
たのしみにしてるっす
74 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:02:44 ID:1ySpUIJ.0
>>71
作品の内容もそうですが、なにぶん下手なものですから……。
でも、これは処女作で思い入れがあるので、きちんと完結はさせたいと思っています。
当面の一番の目標は、られっか代を可愛く書くことですかね。
まあ、自分の技量に早くも限界を感じていますが……。
76 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:06:11 ID:1ySpUIJ.0
>>73
いやぁ、事件という事件は起こらないです、多分。
できない夫が加代と仲良くなりたくて行動を起こすけど、
ヘタレたり運が悪かったりしてなかなか上手くいかないという感じになるかと。
……そーいえば、できない夫と加代の絡み方もはっきりとは決めてないんですよねぇ。
基本的にはヘタレ路線で行こうと思っているのですが。
1話の最後で意気込んでますが、今はおしゃべりするだけで精一杯なので、
このあと引け腰になりまくりになる予定です。
77 名前: ◆R2Pz3RacMM[] 投稿日:2012/11/07(水) 01:10:45 ID:1ySpUIJ.0
……では、夜も遅くなってしまいましたし、今日のところはこれぐらいにしておきます。
こんな拙い作品ですが、見ていて下さった方々、
誠にありがとうございました。
79 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2012/11/07(水) 05:02:32 ID:7qR3Dvjg0
乙
甘酸っぱくむずがゆい青春ものは大好きです。
ヘタレでもいいじゃない。
82 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2012/11/07(水) 17:35:10 ID:45KMSbws0
乙!
また更新楽しみなスレが増えたぜ・・・
83 名前:名無しのやる夫だお[sage] 投稿日:2012/11/07(水) 23:00:59 ID:McfsUezI0
乙
られっか代ヒロインとは、俺得!
こいつは次回も楽しみだぜ。
名前:[{{comment.comment_mail}}] 投稿日:{{comment.comment_date}}ID:{{comment.comment_user_id}}